矛くんのWhite Day 1🎁 ページ31
"渡したい物があるから家に来て"
会社でそう言われて分かった、と頷きさっさと溜まった仕事を30分で終わらせてウォヌの家へと向かった。
渡したい物、なんて一つしか無いだろう。だが、一つだけ気になる事がある。今日はホワイトデーだ、もちろん知っている。ただ…………………
『………チョコ、渡して無いんだけどなぁ』
バレンタインデーの日、私はウォヌにチョコを渡せなかったんだ。原因は急に決まった取引先との商談。
終わった頃にはもう作る時間なんて無くて急いで買った物を用意しようとしたが、どこも売り切れだった。
だから、当日ウォヌに謝ったんだ。ごめん、用意出来なかった、と。そしたらウォヌは大丈夫だよ、そう言って笑った。
本当に気にしてなさそうなウォヌに感謝しながらもホワイトデーに何を貰えるか楽しみなのも無くなってしまったなぁ、なんて少しだけ残念に思った。
………なのに、用意して貰えてるかも知れないだなんて、
嬉しさもありながら少しの罪悪感も引き連れながら先に家で私を待っているウォヌの家へと急いで歩いて行った。
やっと見えてきたウォヌのマンションへと足を踏み入れてチャイムを押すと顔を出したウォヌ。
無言のまま扉を大きく開いたウォヌに気になる事を聞いてみた。
『……あの、どうしたの?何か用?』
「渡したい物があって」
『………渡したい物、って』
「ホワイトデーなんだからプレゼントに決まってるでしょ?」
『………………』
そう言って軽く笑ったウォヌはそのまま私へと背を向けるとそのまま廊下を歩いて行ってしまった。
………嘘でしょ?マジで用意してくれてたの?私は何も用意出来なかったのに、?
まさか用意されているなんて思ってもみなかったから胸が弾んだ。何が用意されているんだろうか?
ウォヌの背中を追いかけるようにリビングの扉を開くと目に飛び込んだのは予想もしていなかった物だった。
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作者名:ノルン | 作成日時:2024年3月14日 6時