科学者のWhite Day 2🎁 ページ25
「ジフンさん、わざわざここまでありがとう。少し聞きたい事と連れてって欲しい所があって来て貰ったんだ」
「よし、じゃあ行くぞ」
「え?あぁ、うん。えっと、聞きたい事と連れてって欲しい所って言うのは、」
「花が良いよ。連れてくからそこで買え」
「あ、あぁ、……ホワイトデー、だもんね。聞きたい事なんてバレてしまうか」
「………………」
「何を上げたらいいのか分からなくてさ、……そっか、花か、ありがとうジフンさん」
そう言って眼鏡のブリッジを上げながら少し照れたように笑った科学者の顔を見て俺の表情は消えた。
「………お前照れるんだな」
「え?」
「何も無い、早く乗って」
そう言って運転席に乗り込むと先程までギフテッドが座っていた場所に科学者が腰を下ろした。
そのまままたエンジンをかけて車を発進させると俺達の間を包んだのは無音の車内と車の発進している音だけ。
「……何で無音なの?」
「ラジオが耳障りだったから」
「……ふぅん、そんな事もあるんだね?」
そう言って窓の外を見つめ天気が良いね、なんて呟いた科学者にさっき聞いたよなんて言いかけた口を閉じてチラッとミョンホへ視線を向けると口角が上がっている科学者様。
…………女の力はすげぇなぁ、
そんなミョンホから視線を逸らして都市部の花屋へと車を向かわせている事30分。
車から降りてチャニと来た花屋へともう一度顔を出すと先程顔を合わせた女性の店員から少し不思議そうな目線が飛んでくる。
……あぁ、見るな。俺を見ないでくれ。
そんな俺を置いて店内の花を見て回るミョンホの顔は真剣そのものだ。何でも良いだろ、さっさと選べよ。花を渡せば女は皆喜ぶよ。
うーん、なんて首を傾げながら花を見て回るミョンホへ近付いた女性店員は奴へと声をかけた。
「悩んでおられるのですか?」
「あぁ、はい。でも飾るにしても花瓶は無いし世話をするのも大変だろうしどうしようかな、と」
「それなら、ドライフラワーやプリザーブドフラワーは如何ですか?」
「プリザーブドフラワーか、」
「何だそれ」
「特殊な液体につけて生花の水分と色を抜いたものだよ。長い物で10年ほど持つんじゃ無いかな?」
「よくご存知ですね?仰る通りです。」
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作者名:ノルン | 作成日時:2024年3月14日 6時