ギフテッドのWhiteDay 1🎁 ページ21
"あっ!ジフンさ〜ん?今日お仕事お休みなんでしょ?ちょっとお願いあるんだけどいい〜?"
「………何で俺がこんな事、」
最近まで休める日なんて無くてようやく落ち着いてきたと思った瞬間にコレだ。
俺は嫌だ、と言ったはずなのに。
えぇ!?嘘でしょ!?用事なんて無いでしょ?待ってるよ!なる早でお願いしま〜すっ!なんて言ってブチッ、と通話を切られた瞬間に体の力は抜けてしまった。
やっと迎えた休日なのに?そんな事を思いながらも適当に着替えて車の鍵を持った俺は少しだけ奴に罪悪感はあったんだろう。
どちらかと言うといつも警察に振り回されているのはチャニの方だ。
急いで警察署まで来てくれ、そう言って本当に急いで駆け付けてくれた頃には犯人が自白してチャニの出番が無くなってそのまま帰って貰う事もあるし、児童福祉施設のカウンセリングの時間をずらして貰う事もある。
事件の解決を手伝って貰う為に資料を渡して犯人がどうして怪我をさせたのか三日で情報を探し出してくれ、なんて言った時には目にクマを携えながら有益な情報を見つけ出してくれた時もあったっけ?
警察だけでは探し出せない犯人の特徴や被害者の共通点を次々と見つけていく奴には警察側が助かっているのも事実だ。
少し位チャニの言う事も聞いておかなければいつ匙を投げ出すかも分からない。
僕もうやらな〜い!なんて言われたらそれこそこっち側は終わりなんだからな。媚は売って損は無いだろう。
それにしても何の用事があるんだろうか?
車を運転しながら車から流れているラジオから聞こえた女性の声。
"そういえば本日はホワイトデーですね!皆さんは恋人達にプレゼントは用意しましたか?女性の方はワクワクしている方も多いのでは無いでしょうか?"
「………あぁ、ホワイトデーか」
大変だよな、恋人がいる奴は。そう思った瞬間に、ん?なんて思ってしまった。
…………まさか俺はホワイトデーのプレゼントを用意する為に足に使われている?いや、まさか。そんな訳無い。さすがのチャニでもそんな事しないだろう。
無い無い、そんな事ある訳ない。変な事を考えるのはよすんだ、俺。
そう考えながらも頭から離れないホワイトデーの文字を浮かべたままチャニの家まで車を走らせ続けた。
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作者名:ノルン | 作成日時:2024年3月14日 6時