ミスター戯言のWhite Day 3🎁 ページ3
『すごく嬉しいです、ジョンハンさん』
「え？色紙が？」
『ううん、これはいらない』
「………………」
『グッズです。……私が言った事全部覚えてたんですね？一度しか言わなかったのに、』
「あぁ……、」
少しだけジョンハンさんから体を離すと珍しく私から目を逸らしたジョンハンさん。照れているのかな？
『一度しか言わなかったのに、覚えててくれて用意してくれたのが嬉しいんです。……本当にありがとう、』
「いや、あの、俺はサインでブチ切れられるまでを想像してたんだけど。」
『ふふっ、怒られなくて不服ですか？残念ですけど怒りよりも喜びの方が大きいんです』
「………………」
もう一度ジョンハンさんの首に巻き付くと弱々しく私の腰に手を添えたジョンハンさんは珍しく私から押され気味になっている。珍しいね？こんな事、初めてなんじゃないの？
少しだけ優越感が込み上げてフフッ、と笑ってしまうと大きく溜め息を吐いたジョンハンさんは少しだけ悔しそうな声を上げた。
「あーあ、こんなはずじゃ無かったんだけどなぁ」
『……私もこんな素敵な物に囲まれるなんて思ってませんでした』
「……今でそんな事言ってんなら失神すんじゃないの？」
『へ？』
私を体から離して私の頭に手を置き、少し待ってろ、そう伝えるとリビングから離れて行ったジョンハンさん。
どうしたんだろ？そんな事を思ってるとすぐに戻ってきたジョンハンさんの右手には先ほど見た色紙が握られている。
『………え、』
「………まだあるよ、渡すもん」
『……………』
そう言って私に差し出された色紙は先ほどと同じように裏返しのまま目の前へとやってきた。
『………嘘、だよね？』
「……早くしないと捨てるよ？」
『に、二回も騙すの？それは酷くない？』
「……お前、マジで捨てるよ」
『…………っ、』
私の目を見ずに色紙を差し出し続けるジョンハンさんの手から色紙を受け取りゆっくりと裏返すと目に入ったのはどれだけ願っても一生手に入らないと思っていた人達のサインが書かれていた。
どうしよう、好きが溢れて止まらない。
『…………っっ、！！』
「おまっ！！」
勢い良くまたジョンハンさんへと抱き付くと余程勢いが良かったのかジョンハンさんは私を受け止めきれずに体勢を崩して一緒に床へと転んでしまった
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年3月14日 6時
