ミナ君達のWhite Day 1🎁 ページ17
「ねぇミナ君、買い物連れて行って」
「……え？買い物？」
久しぶりに仕事が休みでソファに伸びながら座っていると学校から帰って来たドソクはランドセルを放り投げると俺にそんな言葉をかけた
いきなりどうしたんだろうか？それよりも先に言う事があるんじゃないの？
「……ドソク、その前にただいま！パパ！でしょ？」
「ただいま！ミナ君！」
「パ、パパ………」
未だにパパと呼ばれない俺は悲しくて仕方ないよ。
一度、ドソクに聞いてみたんだ。ドソクは俺をお父さんだと思えないの？って。そしたらドソクはこう言った。
"そんな事無いよっ！………うーん、でもお父さんってよりもミナ君、って感じ？"
目をクリクリとさせながら悪びれも無く言ったドソクに何とも言えない気持ちが湧き上がってしまった。
まぁ、ずっとミナ君ミナ君って呼んでいたし仕方ないんだろうけどね？
今日もパパなんて呼んでくれないドソクは少し緊張しながら俺の目の前に立ったまま真っ直ぐこちらを見つめている。……何でそんなカチカチなの？
ソファに寝転びながらテレビを見ていた体を起こしてドソクと向き合うとドソクは口を開いた。
「……もうすぐ、ホワイトデーでしょ？……お返ししなきゃいけないから、」
「ホワッ……おっ、おかっ、お返し？」
「……うん、手作りチョコレート貰ったの」
「……………」
て、手作りチョコレートを貰っただって？え？何で？何で貰ってるの？どこの誰から貰ったって言うんだ？まだ小学4年生だよね？今時の小学生は手作りチョコを渡すのか？4年生なのに？
未だに親馬鹿を発揮する俺に呆れたAは、きっと俺がモヤモヤするのを分かっていてドソクがチョコレートを貰った、なんて報告してくれなかったんだろう。
Aが知らない訳が無いんだから。
「……チョコレート、貰ったんだ」
「うん、ミナ君は貰ってないの？ママから」
「…………………」
俺？俺は、貰ってないよ。
"チョコレート？え？いる？もう良くない？私達いくつだと思ってんの？もういいでしょ"
俺はママからこんな事言われたよ。
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年3月14日 6時
