デザイン室のWhite Day 3🎁 ページ15
「まずさ、先輩って仕事に生きていくつもりなの?」
『へ?まぁ、仕事に生きていくしか無いかな、って思ってる』
「………ふぅん」
手を頭の後ろに回して背もたれにもたれたスンチョルはゆっくりとデスクトップへと椅子を回していくとそのまま動かなくなってしまった。
スンチョルは自由に生きる男だ。自分が仕事をしたい時にして自分が寝たい時に寝る。自分のやりたいように出来なければ仕事に支障が出てしまうような人。
それをしっかりとサポート出来ていないであろう私とスンチョルの仕事の息は本当に合わない。だからいつもお互い言い合いになってしまう。
それだったら私がサポートを降りた方がいいと思うんだよね。そしたらスンチョルは役に立つサポートがいる事になるし、私はスンチョルに振られるんじゃ無いか?なんて思わなくて済むしさ。
お互い一石二鳥だと思うんだけどなぁ
デスクトップへ向いたスンチョルは頭を少し下げながら何かを考えている。未だに動かない大きな背中を見つめていると、スーッ、と息を吐いたスンチョルの椅子が少しだけ動いた。
「分かった、じゃあサポーター降りなよ」
『うん。部長からは私から伝えておくし、こんな人がいいとかあるなら今の内に』
「いや、もうサポーターはいらない」
『は?』
「俺もやろうと思えば一人で動けるしサポーターはいらないって言ってくれればいいよ」
『あ、あぁ、そう』
「だから、先輩も誰かのサポーターになんなくていいよ。もう仕事辞めちゃえば?」
『………はぁ?』
仕事を辞めろ?何言ってんの、マジで。私が仕事辞めたらどう生活してけばいいんだよ。
呆れた溜め息が漏れてスンチョルの背中に向かって文句を言おうとした時にスンチョルの左側から現れた二つの箱。
何だ?あの箱は。目を凝らすと長細い何かの箱と正方形の箱。正方形の箱は見た瞬間に目を疑ってしまった。
「…………仕事辞めて結婚すれば良いじゃん、俺と」
『………………は、』
そう言うとスンチョルは頬杖をついてしまいまたマウスを動かしてカチカチと鳴り出した音だけが部屋の中に響き渡る。
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作者名:ノルン | 作成日時:2024年3月14日 6時