デザイン室のWhite Day 1🎁 ページ13
「………何すか、コレ」
『え？何って……あなたに届いたデザイン表の枚数だけど』
「は？5枚もあんの？」
『え、うん、契約取っちゃっていっすよ〜って言ってたじゃん？』
「いや、言ったよ？言ったけど、誰が5枚も来るなんか思う訳？普通一枚だと思うじゃん？何で枚数言わないの？」
『は？聞かなかったじゃん』
「…………はぁ、」
そう重苦しい溜め息を吐いた後に頭を抱えた男とは付き合ってかれこれ2年ほど経つだろうか？
アートデザイナーをしている目の前の我儘男に振り回されながら今日までやってきたが彼と仕事をしていて思う事があるんだよね。
『まぁ、枚数言わなかった私も悪いよ。でも聞かなかったスンチョルも悪くない？5枚準備出来るかな？って思うじゃん？』
「……え、俺先輩に言いましたよね？1枚仕上げるのにこんだけ時間がかかるんだ、って」
『そう言われたから期限は全部長めにして貰ってるじゃん』
「いや、そういう問題じゃねぇんだよ」
じゃあ、どういう問題なんだよ
眉をピクピクとさせているスンチョルはキレている。間違いなくキレている。だけど私からすればキレられている理由が分からない。
だって私は、アンタが提示した金額をちゃんと守っているし期限だって長くした。そりゃあ2年もアンタといるんだ。何をしたらキレるかなんてもう分かりきっている。
なのに目の前の男はキレている。ブチギレている。何故だ。仕事を取ってきてやった、と言うのに。何と面倒くさい男なんだ、お前はよ。
「え、先輩分かってんの？5枚仕上げるのにどんだけ期間かかるか分かってんの？」
『確認と手直しとかも含めて半年くらいでしょ？分かってるよ』
「いや、分かってないじゃん。半年も俺がデザイン作成し続けたら先輩ブツブツ文句言ってくんじゃん」
『文句？』
「アンタは仕事ばっかだね、やら、たまには外でご飯くらい食べに連れて行けよ、やら、もう仕事と結婚すれば？やら色々言ってくんじゃん」
『私がいつそんな言い方したんだよ』
脚色酷いな、おい。
私が言ったのは仕事量が結構多いねとか、息抜きにご飯行かない？とか、スンチョルにはこの仕事が本当に合ってんだね、とかだよ。
それを文句と捉えていたのか？お前、捻くれすぎだろ。
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年3月14日 6時
