ミスター戯言のWhite Day 1🎁 ページ1
私は今、感激している。いや、……感動している。
『ジョンハン、さん、………こ、これは、』
「ふっ、ビックリした？バレンタインのお返しだよ」
『な、何とっ…………』
バレンタインのお返し、そう言って私に笑いかけたジョンハンさんが私には神様にしか見えないよ。
今、私の目の前に広がる光景に未だに信じられずにいた。
私の欠伸しながら適当に作った焼きチョコがこんなにも素晴らしい物になって返ってくるなんて思ってもいなかった。
ぬいぐるみに、フィギュア。ポスターにアクリルスタンド。一昨年と去年のライブDVDに二種類のクッション。ランダムの絵柄のコップが3つもある。
その中でも一際目立つ一枚の色紙は裏返されている。待って、マジで待って？嘘だよね？次期社長ってそんな事まで出来ちゃうの？
圧倒的な数のstrawberry⭐︎boys達のグッズが所狭しと並べられているのを見ながら恐る恐る色紙に手を伸ばすと私の手はジョンハンさんの手に掴まれてしまった。
『え？』
「俺、見ていいなんか言ってないけど」
『………え？』
「……何だと思う？それ」
『………………』
えぇっ、言っちゃっていいんですかっ？ぬふふっ、そんなんもう一つしか無いですよねぇ？言ってしまって構わないんですかぁ？
きっとドゥフドゥフと鼻息が荒くなっているであろう私の顔を見て少し冷たい目線を飛ばしてくるジョンハンさんの視線は今の私からすれば痛くも痒くも無い。
『えっ、……だ、だって色紙って……うへっ、そんなんもう………ねぇ？』
「そんな喜んで貰えて嬉しいよ、じゃあ裏返してみな？」
『はいぃっ！！！』
そう言われて色紙を手に取り私はウキウキしたまま勢い良く裏返したっ………！！！
『……………え』
「いやぁ、そんな喜んで貰えるとは思ってなかったよ、嬉しいわぁ」
『………………』
「結構、頑張ったんだよねぇ〜」
『………………』
「どう？俺のサイン」
そう言って楽しそうにケラケラと笑うジョンハンさんの笑い声を他所に考える事は一つしか無かった。
色紙にデカデカと書かれた、ユンジョンハンの文字。少しだけ字が綺麗なのも腹立たしいポイントの一つだな。
いや、………何だよこれ。誰が欲しいんだよ。
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年3月14日 6時
