chapter 27 ページ28
"仲間が感染した？……ここにワクチンがある、これを持っていけ"
そうバーノンから言われた瞬間差し出された注射器を奪うように手に取り屋上から走ると俺を見つめたままのジョシュアとバーノンを押し退け後ろの方では俺を呼び止めるスングァンの声が聞こえた。
間に合うのか？ゲーム内でも確かワクチンはあった。だがワクチン、なんて言っても進行を遅らせるのみの物だ。完全に治すにはウィルスを取り除かなければならない。
Aへワクチンを打ち、屋上に止まっているヘリに乗って病院へ搬送されればきっとアイツは、
長ったらしい廊下を走り階段を駆け降りて先ほどまで俺達がいた場所の扉を勢い良く開けると目の前に落ちているM4A1ライフルのマガジン。
その先へと視線を辿らせると床に倒れて肩で息をしているAを見つけた
「お、…おい、A………」
急いでAの元へと駆け寄り体を抱えて起き上がらせると目を開いたAの目は少し濁っていて首元まで変色してしまっている。
どうしてこんなに進行が早いんだ？何なんだよ、このありえないスピードは。
「おい、大丈夫か、すぐ……すぐ、助かるから」
『………………』
注射を取り出した瞬間、ピタリと動きが止まってしまった。
ど、どこに打てばいいのだろうか？腕？首？………いや、この際悩んでる暇は無い。
注射器の蓋を外して腕に突き刺しAの体の中に流れていく青色の液体を全て流し込むと注射を抜き床へと放り投げて彼女の頬を両手で包んだ。
コイツ、こんなに顔小さかったかな？
「おい、起きろ、今ワクチンを打ったから、もう大丈夫だぞ」
『…………ぁ、』
「聞こえるかっ？正気を保て！こんな所で諦めんな！お前はもう助かるんだぞ！」
か細くなった息を吐き続けるAの体を抱きしめると少しだけ動いたAの体
「……大丈夫だから、絶対、生きてここを出よう」
そう言って彼女から体を離すと俯いていた彼女の顔が上がり俺に視線を移した
綺麗だった目は濁り、焦点の合っていない視線。俺を見てニヤッと一度笑うと大きな口を開けて飛び付くAの動きが全てスローモーションに見えたんだ。
………あぁ、そっか。ごめんな、A
そんなAの姿に俺は静かに目を閉じた。
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ノルン(プロフ) - Kさん» こんにちは！読んで頂きありがとうございます🙇♀️最近、忙しくなり始めてお話を簡単に上げれなくなってしまいましたが、気長に待って頂けると嬉しいです😭 (3月12日 6時) (
レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ほんとにほんとにノルンさんの作品が大好きで、毎日楽しみにしてます！！こんなに楽しい小説を書いてくださってありがとうございます！ (3月11日 21時) (レス) id: b54b5bae4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年3月4日 0時
