chapter 25 ページ26
荒く息を吐き続ける自分に少しずつ起きていく異変は止まる事を知らずに今度は鼓動が早く大きく鳴り響いていく
私の姿を見て腰を抜かしているスングァンさんは私を見つめたままピクリとも動かない。
「おい、早く屋上行くぞ、もうすぐで俺達は助かるんだ」
「な、何言って……つ、連れて行くつもり、?」
「……当たり前だろ」
そう言って力が抜けた私の腕を肩へ回すと私を立ち上がらせたミンギュは屋上へ向かう為に私を引き摺るように歩き出す
「ち、ちょっと待ってよ!何考えてるんだよっ!」
「………………」
「爪が食い込んで出血してるんだよっ!?もう感染してる!!分かってるんだよねっ!?」
「………………」
「こ、こんな状態で連れて行ったら俺達、どうなって、」
あぁ、スングァンさんの声が遠いな、出血している傷口から肌がおかしな色になっていっている。
スングァンさんの声を無視しながら歩き続けるミンギュはスングァンさんの声が聞こえないのだろうか?
私を抱えながら歩き続けるミンギュの肩に手を添えると私を見たミンギュの顔は視界が掠れてよく見えない。そんなミンギュの肩を押すと私から離れたミンギュと支えが無くなった事によって崩れ落ちていく私の足
「何して、」
ミンギュから貰った大型銃をミンギュへ突き付けると私へと近付くミンギュの動きが止まった事だけは見えた。後はもう掠れて何も見えない
『アンタ、……近付いたら、……撃つよ、』
「……は、……はぁ?」
『スングァン、さん、ミンギュを、連れてって』
「………………」
「お前何言ってんの?お前がここから出ようって言ったんだろ?」
『…………………』
「俺が誘導するって言ったじゃん、お前が来ないと意味ないだろ?」
こいつ何キレてんの?もう話さなくていいからさっさと行ってくれない?もう話せるほどの余裕もないんだ、
進むべき扉に向かってトリガーを引くと連続で三発発射された弾はきっと扉に傷をつけたかも知れない
先ほどよりも荒くなった息がこの場に響き渡る中聞こえたスングァンさんの声は先ほどよりも遠く聞こえる
「行こう」
「……何言って、アイツを置いていける訳、」
「彼女の気持ちを無駄にするのっ!!?」
「……………」
「……このままじゃ全員が道連れだ、行くよ」
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ノルン(プロフ) - Kさん» こんにちは!読んで頂きありがとうございます🙇♀️最近、忙しくなり始めてお話を簡単に上げれなくなってしまいましたが、気長に待って頂けると嬉しいです😭 (3月12日 6時) (レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ほんとにほんとにノルンさんの作品が大好きで、毎日楽しみにしてます!!こんなに楽しい小説を書いてくださってありがとうございます! (3月11日 21時) (レス) id: b54b5bae4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノルン | 作成日時:2024年3月4日 0時