chapter 19 ページ20
うっかりとミンギュが口を滑らせないかドキドキしていたけれどそんな不安は訪れる事も無く、三人で美術館への道を歩いていた時だった。
ショットガンをゾンビへとぶちかまして奴らの頭を次々と吹っ飛ばしていくジョシュアさんに私達が慄いていた時、ジョシュアさんは美術館は目の前だと言うのにピタリと足を止めてしまったのだ。
足を止めたジョシュアさんは美術館の少し先にある方向へと目を向けていて何かを気にしているのか一向に動こうとしない。
『どうしたんですか?』
「……友人がね、SWAT隊員なんだ。きっとこの街に来てると思うんだけど………無事なのかな?」
「……SWAT隊員なら、無事なんじゃないの?」
「……そうだといいんだけど、」
きっとジョシュアさんはその友人が心配なんだろう。
少し不安そうに奥を見つめ続けるジョシュアさんの姿にミンギュはまた困ったように頭をポリポリと掻いてしまった
「……あーーっ、と、その友人の、名前って……何?」
「え?……あぁ、バーノンだよ」
「バーノン?……バーノン、……どっかで聞いた気が、………どこだったっけなぁ、」
『……ミンギュ、知ってるの?』
「……んー、そんな名前のやつに会った気はすんだけど、どこだったかが思い出せ」
「会ったのか!?」
「え」
ミンギュの両肩を勢い良く掴みミンギュへと迫るジョシュアさんは凄まじい顔をしている。
きっとジョシュアさんはミンギュがこの世界でそのバーノンさん、とやらに会ったと思い込んでいるんだろう。でもきっとミンギュは違う。
ミンギュはゲームの中の事を言っている。現に今、ミンギュの顔はやっべ、口滑らせちゃった、みたいな顔をしているんだから。
「どこで、……どこで会ったんだ!?」
「え、あぁ、えっと……どこ……だったかなぁ、?」
「思い出せっ!アイツは俺の可愛い後輩なんだっ!」
「う、うーん………」
そう言って俯いたミンギュは必死に考えて頭を働かせている。………モブすぎて思い出せないのだろうか?
「確か、S-1TYPEを倒した後に、下水道から警察署に行って………」
ブツブツと呟くミンギュにジョシュアさんは聞き取れないのか、はぁ?と声を荒げながらイライラしている。
そんなジョシュアさんをお構いなしにゲーム内容を思い出すように未だ呟き続けるミンギュ。
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ノルン(プロフ) - Kさん» こんにちは!読んで頂きありがとうございます🙇♀️最近、忙しくなり始めてお話を簡単に上げれなくなってしまいましたが、気長に待って頂けると嬉しいです😭 (3月12日 6時) (レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ほんとにほんとにノルンさんの作品が大好きで、毎日楽しみにしてます!!こんなに楽しい小説を書いてくださってありがとうございます! (3月11日 21時) (レス) id: b54b5bae4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノルン | 作成日時:2024年3月4日 0時