chapter 16 ページ17
「俺達と、美術館へ向かおう。マリアもきっとそれを望んでる」
「………………」
「アンタが感染して化け物になったら悲しむのはマリアだろ？……マリアの分まで、アンタが、生きないと、」
「………、くそっ、！」
『………………』
頭を下げたまま苦しそうな声を男性が上げた瞬間、奥の扉がガチャッと開き姿を現したのは小さな女の子だった
『………あ、あの子、』
「マリアッ、！！？」
「………………」
姿を現した女の子の姿に目を逸らしてしまった。
顔の右半分は紫色に染まり、所々腐敗している肌。右目は白濁していて灰色になりかけた黒目。苦しそうに息を吐くその姿は私達が見てきた奴らと似てしまったその姿に恐怖で足がすくみ体が震えてしまった、
あの子は、もう、
「………見るな、A」
『ミン、ギュ、あの子、………』
「……………」
私の前に立ちはだかったミンギュの大きな体のせいで彼女の姿が見えなくなった時に耳に聞こえた可愛らしい声
「パ、パァ？」
「マリア、」
「どこ、か、…行く、のぉ？」
「……………」
「だい、じょうぶ、だょ、？」
「…………え？」
「おるす、ばん、出来、るから、」
「………マ、リァ、」
啜り泣くような声が聞こえ、私は顔を上げれなくなってしまった。こんな場面に遭遇してしまうなんて、
どうしてこんな事に、
「マリア、おいで」
「………うん、」
「……パパ、すぐに帰って、来るから」
「………うん、」
「だから、………パパの変わりにお留守番しててくれる？」
「………分かっ、たぁ、」
「………マ、リア、」
男性の声が聞こえた瞬間、私の腕を掴んだミンギュの顔を見ると小さく頷いたミンギュは振り向き口を開いた
「………裏口で待ってるから」
そう言って私の腕を引っ張り歩き出して引き摺られて行く私が振り向くと最後に見えた二人の姿は抱き合っている姿だった。
『……………』
ミンギュは鍵を掴み取ると裏口の鍵を開けてまた細い路地裏へと入った私達は彼が来るまでの間、一言も発する事が無かった
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ノルン(プロフ) - Kさん» こんにちは！読んで頂きありがとうございます🙇♀️最近、忙しくなり始めてお話を簡単に上げれなくなってしまいましたが、気長に待って頂けると嬉しいです😭 (3月12日 6時) (
レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - ほんとにほんとにノルンさんの作品が大好きで、毎日楽しみにしてます！！こんなに楽しい小説を書いてくださってありがとうございます！ (3月11日 21時) (レス) id: b54b5bae4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年3月4日 0時
