金木犀の咲き方 2 OPEN ページ10
『あー……えっとね？まだ、ジュンさんには、伝えてなかったんだけどぉ〜、』
「……………」
『……ハオから、続編を作らないか？って声がかかっててさ』
「………はぁ？」
『……ほら、思ったよりも反響良かったしさ？私とハオの所に続編あるんですか？なんて問い合わせも来てたじゃん？
だから、ハオから続編書いてみる？………なんて声をかけられちゃってさ、？』
「…………
『え？』
「……何もありません」
ボソッと呟いた中国語は少し怒りの感情が込められていて心無しかジュンさんの顔も少し歪んでいる気がする。あぁ、言っちゃいけなかったかもなぁ
『あー、まぁ、書くと決まった訳では無いよ？まず私達も準備しなきゃいけないお話も別にあるしさ？もし、書くとしても当分先の話には』
「書く？」
『へ？』
「書く、と言いました？今」
『あ、いや、もしだよ？もし書くとしたら、って話なだけで』
「………A先生は、書きたいですか？続編」
『……………』
続編を書きたいか、そう言われたらどうなのか分からない。私の中であのお話は完結してしまったのだ。
アシスタントと妻は夫の前から姿を消した。その先の話を望む人も沢山いるがそれは個々の想像で色々な結末があるはずだ。
アシスタントと幸せに過ごしている、という人もいれば結局夫を裏切らず夫の所に戻ってしまう、最悪の場合妻とアシスタントは捕まってしまう……そういう人もいるだろう。
…………私は、その個々の想像を潰したくは無い。
『………どうなのかな？分からない』
「……分からない？」
『最後の結末にアシスタントと妻が二人で逃げたシーンしか書いていないのにはその人達に自由に想像して貰いたいからなの』
「……………」
『自由に想像して貰ったのに私達が続編を出す事によって色々な結末は潰れてしまう、』
「………確かに」
『……何か、勿体なくない？人によってはたくさんの結末があるんだよ？』
「………そんな事まで考えてるんですか？」
『考えたくて考えた訳じゃないけれどね？』
そう微笑むとジュンさんも少し微笑みあのお話の結末をジュンさんなりに教えてくれた
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月27日 21時
