烏の喜び 2 OPEN ページ24
家へと着いて姉ちゃんの唐揚げ弁当を平らげて風呂へと入り時刻を見ると時間は21時に差し掛かる時間になっていた。
………遅くない？チャンの奴、少しは気を遣えよ
そんな事を思った所でチャンにそれを伝える手段を俺は知らないし、なんならヌナへと連絡を取る手段も無い。
………そろそろ携帯持たせるかなぁ、
携帯は必要ない、と言ったヌナに分かった、と返事はしたがこういう日がこれからも出てくるかも知れない。持たせておいて損は無いだろう。
冷蔵庫へと入ったシュークリームをもう食べてしまおうか？そんな事を考えた瞬間に玄関の扉が開く音が聞こえた。
………やっと帰ってきたよ
お世辞にも遅い時間だなんて言えない時間に帰ってきたヌナはリビングの扉を開くと、ただいま、そう言って俺が座っていたソファの隣へと腰を降ろした
「……チャンとご飯行くなら前持って言っておいてよ」
『私も知らなかったの！今日いきなり誘われちゃって、』
何だよチャンの奴、
いきなり誘うのは常識外だろ。俺がシュークリームを買う可能性も少しは考えろってんだ。
きっと、三人の前でこんな事をぼやくと何言ってんの？とでも言うであろう三人の顔が想像出来てしまい自分でも勝手だなぁ、なんて思って鼻から漏れた息はヌナには聞こえなかったみたいだった
『ねぇねぇ、聞いて？スンチョルさん』
「ん？」
『今日ね？チャンと一緒にお母さんに会ったの』
「………は？」
お母さんと会った？チャンとヌナが？
そう聞いてまず一発目に思った事はヌナは大丈夫だったのだろうか？そんな思いだった。
「え、あ……お、お母さん、に会ったの？」
『うんっ！チャンがお母さんに連絡を取ったみたいで私に内緒でお母さんも呼んでたのっ！』
「……………」
ヌナが楽しそうに笑っている。お母さんから酷い事をされ続けてきたあのヌナが、お母さんに会って笑っている。
一体何が起こってるんだ？
そう不思議にはなったが、姉思いのチャンの事だ。きっと、ヌナの事を考えて会っても大丈夫、そう思って取った行動だろう。現に彼女は母親に会ってきてこんなにも笑っている。
………きっと、仲良く話が出来たんだろう。
ヌナから聞かなくても彼女の顔を見れば答えは明白で楽しそうに笑っているヌナに少しだけ微笑みが溢れた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 889人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月27日 21時
