ハイドくんとシークちゃん 2 OPEN ページ16
そう伝えると、少し小さく頷いたハンソル君はお弁当を見つめたまま動かない。目に焼き付けてくれてるのかな？
そんな彼を横目に手を合わせて頂きますっ！と元気に言った後、私は真っ先にエスニック風チキンを箸で掴み口の中へと入れた。
エスニック風チキンは香ばしいピーナッツの風味とナンプラー独特の風味がマッチしていて程よく調和が取れている。………美味しいっ！！
『ん〜っ！！』
「……美味しい？」
『うんっ！すっごく美味しい！ピーナッツバターとナンプラーってこんなにも合うんだ！知らなかったなぁ！』
「……そっか、それは良かった」
『………？』
少し苦笑いしながら頷いたハンソル君は箸を持ち頂きます、と告げた後前に大好きだと伝えてくれた卵焼きへと箸を伸ばした
あ、さては…………
『んふふっ、ハンソル君気になる物は最後まで取って置いちゃう感じ〜？？』
「え、」
『チキン食べるかな？なんて思ったけど、楽しみだから取って置きたいんでしょ！』
「え、…あ、うん、……そうだね」
『あははっ！やっぱり〜！！口に合ったらまた作ってくるね？卵焼きは今日も美味しい？』
「うん、世界一美味しい」
『ははっ！大袈裟だよ〜っ！』
「本心だよ」
そう言いながら二人でお弁当を食べ進めていき少しお話もしながらゆっくりと時間を過ごしていると後、15分ほどで昼休憩は終わる時間になってしまった
『わ、後15分で昼休暇終わっちゃう！』
「あ、本当だ。戻らなきゃいけないね？」
『うん、でも……………』
「………………」
ハンソル君のお弁当に目を移すと全く手をつけられていないエスニック風チキン。………最後の最後まで取って置いて食べるのかな？
『ハンソル君、食べないの？休憩終わっちゃうよ？』
「え、あ、うん」
そう言ってまた箸を持ったハンソル君はエスニック風チキンに箸を伸ばして一つ掴み上げた
『んふふっ！きっと気に入ってくれるよ〜？』
「………うん、」
私がそう言うと口角をヒクつかせたハンソル君に少しだけ違和感を感じた。
………どうしていつもの笑顔じゃないんだろう？
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月27日 21時
