お姫様達の後日談5 (ページ15)

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ハイドくんとシークちゃん　1 OPEN ページ15

　
　
　
　
　
　
　
　
"すみません、用事があるのでお仕事変われないんです。"

ハンソル君と付き合い出してから言葉に詰まらずすんなりと頼み事を断れるようになったのはいつからだっただろう？

あの時は断る事をあんなにも恐れていたのにいざ勇気を出してみたら思ったよりもすんなりと分かったと笑顔でみなさん伝えてくれた。

呆気に取られたものだ。

え？こんなにもすんなり受け入れてくれるの？なんてさ。今までの私の苦悩は何だったんだろう？なんて思っちゃったよ。

………でも、こうして断れるようになれたのも嫌な事は嫌だって言えるようになったのも彼のおかげだな、

お昼は一緒にお弁当を食べるのが日課になった私達は今日も休憩スペースへと足を運び横並びに座りながら一緒にお弁当の蓋を開けた。

へへっ、少し驚くかな？今日のおかずは初挑戦なんだよね。

「お、今日も美味しそう」

『本当？良かった』

ニコニコ顔で弁当を見てまたいつものように携帯を構えて写真のピントを合わせるハンソル君の写真フォルダにはどれほど私のお弁当写真があるんだろう？

いつか一緒に見直してみたいな。

真剣な顔をして写真を撮った後、携帯をポケットにしまい、もう一度お弁当を眺めたハンソル君は嬉々な顔をしながら口を開いた

「このチキン、見た事ないね？何味なの？」

『このチキンはね？私も初挑戦なんだっ！』

「へぇ、そうなんだ。どんな味？」

お弁当の端にあるエスニック風味のチキンとピーマンと玉ねぎの炒め物の上に輪切り唐辛子が乗ったエスニック風チキンを興味津々に見るハンソル君に味の説明をしてあげた

『エスニック風チキンだよ！ピーナッツバターにナンプラーを加えたチキンで旨みたっぷりらしいんだっ！』

「………え」

『美味しそうだよね？ハンソル君、エスニック料理結構好きでしょ？絶っっっ対に喜んで貰えると思ってさ？作ってる間ワクワクが止まらなかったの！』

「………………」

『……ハンソル君？』

エスニック風チキンの事を伝えると表情が固まったままハンソル君はピクリとも動かなくなってしまった。

どうしたんだろうか？…………あ、さては、

『………もしかして、感動で動けない感じ〜？』

「え、」

『エスニック料理好きなの分かってたよ！ほら！食べてみてっ！』
　
　
　