少女Uは喧嘩っ早い 1 OPEN ページ1
「スニョン君、少し話あるの、………ちょっと良い？」
「……えっ！……あ、うん、」
同じ講義を取っている女の子からそう声をかけられた瞬間にひしひしと感じる殺気。
……うん、まぁ、そうだよね？Aちゃんからすれば信じられないよね？
自分という彼女がいながら他の女の子に声をかけられてるなんてさ。もう顔が話してるよ？
『え？どこに目ん玉引っ付けてスニョンに声かけてんの？』
「あ、言っちゃった」
『は？』
「いや、何も無いです」
俺に声をかけた女の子は少し困ったような顔をすると教室の扉の方へと指差した
「……スニョン行っといでよ。Aちゃんは、預かっておくから」
『は？』
「……うん、ごめんね」
『は？』
歩き出した女の子を見て椅子から立ち上がり、チラッとAちゃんへと視線を向けると女の子を見つめたまま体が前のめりになっていて今にも飛びかかりそうな状態をジュンに必死に止められている。
………うわぁ、全身から青筋が立ってそう。
狂犬に似てるよ、Aちゃん。
そんな事を言うと、自分の身がどうなるか分からないから口には出せなかった
必死にAちゃんの肩を掴み狂犬を引き留めているジュンに目配せをすると早く行け、と首を振って合図をしている
ごめんね、ジュン。ウチの狂犬をよろしく。
姿が遠くなった女の子の背中を追いかけるとだんだんと人気の無い場所へと進んでいき女の子は立ち止まると俺の方へと振り返った
「……あの、ごめんね？急に声なんてかけて、」
「あぁ、うん、……大丈夫、」
いや、大丈夫じゃ無いかもなぁ、
出来れば早く教室へと帰りたい。この後のフォローが毎回大変なんだよ
「あの、何かな？」
「………あ、えっと……ね、」
「………………」
俯いた目の前の彼女は少し言いにくそうに口籠ると最悪の予感は的中してしまった。
告白じゃ無ければAちゃんに告白じゃ無かったよ、って言えたのになぁ。どうやらそうも行かないらしい
というか、何で付き合ってるのを知っているはずなのに俺はこんなにも告白されるのだろうか？普通されないよね？
そんな事を考えていると意を決したであろう目の前の彼女は俺を真っ直ぐと見つめて口を開いた
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月27日 21時
