58 Cits ページ10
『……あの、どうでしょう、か』
「え」
『オーナーさんがメイクをしてくれて服もくれたんです……美容院も予約してくれて、』
「あ、……姉ちゃん、」
あぁ、姉ちゃん、この子にそんな手を施しちゃったの？今まで生きてきた中でコレほど姉ちゃんに感謝したのは初めてかも知れない。
未だに目が見開いたままでいるであろう俺は彼女の方へと歩み寄ると彼女は少し恥ずかしそうに肩をすくめた。
すごいね、そんな姿すら絵になってしまうなんて
「……髪、触っても良い？」
『あ、え、えっと、………はい、』
少しモジモジして俯いてしまった彼女の頭に手を伸ばすと指先を通るピンクがかった髪の毛は俺の指先の間をサラサラと流れていった
もう一度手を伸ばすと一度俺を見上げてまた視線を下にして俯いた彼女にムクムクと膨れ上がる気持ち。
何だよ、そんなメイクした顔で俺を見るな。馬鹿な頭がもっと馬鹿になるじゃないか。
もう一度ピンクがかった髪の毛を掬い上げて耳にかけてやると節目がちになった目が見えてどこか哀愁を漂わせた瞳は上向きになった睫毛を震わせ続けている。
「……随分と、印象が変わったね」
『あ、えと、はい……私も、驚きました、』
「……どう？生まれ変われた今の気持ちは」
『……嬉しい、です』
そう言って俺を見上げて微笑んだ彼女を見ると我慢している気持ちが張り裂けそうになってしまう。
あぁ、笑うな、笑わないでくれ、頼むから、
「……そ、良かった、ね」
『はい、……スンチョルさんにも早く見せたかったです』
「へ」
『スンチョルさんが、私に色気も無い女は売れない、なんて言ったから』
「……………」
『私だって、少し整えれば可愛くなれるんだから、なんて思って……へへっ、』
そう照れたように笑って両耳に髪をかけて頬を染めている彼女を見た瞬間に俺の中でパンパンに膨れ上がった気持ちが一瞬にしてはち切れたのが分かってしまった
華奢な腕を力強く掴み彼女の体を引き寄せると小さな悲鳴を上げた小さい彼女は俺の腕の中にスッポリと簡単に収まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 617人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノルン(プロフ) - 小蝦さん» お読み頂きありがとうございます🙇♀️かなり長くなったのですが読んで頂き感謝です☺️これからも是非、楽しんでって下さい💋 (2月27日 17時) (
レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
小蝦(プロフ) - ノルンさん完結おめでとうございます！今回もとても面白く更新が楽しみでした！次回作も楽しみにしてます！！ (2月27日 14時) (レス) @page31 id: 1f0b770aa6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月22日 23時
