53 Cits ページ5
キッチンカーの鍵を抜き取りマンション内へと進み玄関の扉を開くと綺麗に揃えられた靴にチャン君が帰ってきているんだとすぐに気が付いた。
ご飯、まだだよね？準備しなくちゃ、
履いていたスニーカーを脱ぎ捨ててリビングの扉を開くとお行儀良く座っていたチャン君へと急いで声をかける
『遅くなってごめんねっ！お腹空いたよね？』
「あ、おかえりなさい。お腹、少し空きました」
『すぐに準備するねっ！』
そう言ってソファの上に鞄を置くとテーブルの上に置いてある袋を見て動きが止まってしまった。………何だ、コレは
とりあえず、ご飯の準備だ。昨日チャン君が毎日食べても飽きないなんて言ってくれた唐揚げのバッター液が冷蔵庫に冷やされている。………喜んでくれるかな？
腕捲りをしてキッチンへ行こうとした瞬間にかけられた声に私は足を止めた
「あの、Aさん」
『ん？どうしたの？』
チャン君の方へと振り返ると彼はにこやかにテーブルの上へと置いてあった袋を持ち上げた
「実は、コロッケ買ってきたんです」
『へ、コ、コロッケ？』
「はい。………小学生の頃、ずっと姉に食べて貰っていたコロッケ」
『え、』
「僕小学生の頃、姉の栄養面を心配して1つ50円のコロッケと1/4にカットされたキャベツを買っていたんです」
懐かしむように笑ったチャン君はコロッケを袋から取り出すと6つ程入ったコロッケが顔を出してテーブルの上へと置かれた
「……まだ、お店やってたみたいで良かった。懐かしいなぁ、あの時は一つ買うだけでも必死だったのに、」
『……………』
「今は、こんなにも沢山買える。」
『……本当だね？一人三つも食べる感じ？』
「……へへっ、姉ちゃんに渡したら胃もたれしちゃうかな？」
そう言って手で摘んで一口齧ったチャン君は笑顔で頷いた
「んんっ！美味い！姉ちゃんずっとこんな美味いもん食べてたんだなぁ〜、俺は食べれなかったのにさぁ〜」
『………ふふっ、ずるいね？お姉さん』
「本当ですよ」
そう言って笑ったチャン君の隣へと座り私も一つ摘んで一口齧ると冷めているコロッケは衣が油を吸い切ってしまい少しフニャフニャしている。
お世辞にも美味しいなんて言えない味だけど、チャン君とお姉さんには特別なコロッケなんだろう。
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ノルン(プロフ) - 小蝦さん» お読み頂きありがとうございます🙇♀️かなり長くなったのですが読んで頂き感謝です☺️これからも是非、楽しんでって下さい💋 (2月27日 17時) (
レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
小蝦(プロフ) - ノルンさん完結おめでとうございます！今回もとても面白く更新が楽しみでした！次回作も楽しみにしてます！！ (2月27日 14時) (レス) @page31 id: 1f0b770aa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月22日 23時
