70 Cits ページ22
「……言葉の通りです。母から愛されているチャンは出て行くなんて言っても母が離す訳無いんです」
「………………」
「母の心の拠り所はチャンです。愛する息子が出て行ったとしてもきっと探し回るに違いない」
『………………』
「私は逃げられたとしてもチャンが………」
姉ちゃんの言う通りだ。姉ちゃんはあの家から出れても姉ちゃんの分まで愛を注がれた俺はきっとアイツから逃げ切れる事は出来ない。現実的じゃないんだ
連絡を無視していても、大学にも来るだろうしバイト先にも来るだろう。そして一人暮らしする、なんて言っても到底許されるはずなんて無い。
俺が一人であの家へ帰ったとしても、きっと俺は姉ちゃんがいないあの家にいる事が苦痛で仕方なくなるだろう。
でも、姉ちゃんの幸せを願うのならスンチョルさんの所へと行って貰うべきなんだ。………ずっと苦痛に耐え忍んだ姉ちゃんは幸せになるべきなんだ、
姉ちゃんの背中をドンッと押すと少しよろけた姉ちゃんは俺の方へと振り向いた
「………チャン？」
「姉ちゃんは、スンチョルさんの所に行きなよ」
「………えっ？」
「………俺は家に帰るからさ、」
「……な、何言ってるの？チャン、」
俺の言った事に少し笑いながら首を傾げた姉ちゃんの肩を力強く掴むと少しひるんだ姉ちゃんの目を真っ直ぐ見つめて言葉をかけ続ける
「こんなチャンス、滅多に無いんだよ？最後のチャンスかも知れない。それを俺と一緒に逃す必要なんて無いんだよ、」
「……でも、」
「でもじゃ無いよっ！幸せになりたいんだろっ！だったら幸せになれよっ！俺を気にしてる場合じゃ無いだろ！？」
「……………」
「……もし姉ちゃんの事を気にしたら、俺が上手く言っておくから、だからっ………」
「………チャン、」
"お願いだから、幸せになってくれよ"
「……………」
「……………」
『……チャン君、』
黙り込んだ姉ちゃんの震える息が聞こえる中、沈黙が漂い続けた。重苦しい雰囲気が続くのを真っ先に壊したのはスンチョルさんだった
「ん〜……あのさぁ？チャンは出て行く覚悟はあるんだよね？」
「へ、」
「母親を裏切ってでも出て行きたい気持ちってのはあるの？」
「それ、は……もちろん、」
「んじゃあ、いけるじゃん。何をそんな真剣に考えてる訳？」
「……は？」
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ノルン(プロフ) - 小蝦さん» お読み頂きありがとうございます🙇♀️かなり長くなったのですが読んで頂き感謝です☺️これからも是非、楽しんでって下さい💋 (2月27日 17時) (
レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
小蝦(プロフ) - ノルンさん完結おめでとうございます！今回もとても面白く更新が楽しみでした！次回作も楽しみにしてます！！ (2月27日 14時) (レス) @page31 id: 1f0b770aa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月22日 23時
