69 Cits ページ21
"二人とも家から出て、私達と一緒に暮らすのはどうかな？チャン君は私と。………お姉さんはスンチョルと、"
耳を疑った。Aさんの口からそんな言葉が出てくるなんて思ってもみなかったから。
「……は、え？Aさん、何言ってるの、？」
……あの家から出て、俺はAさんと住んで、姉ちゃんはスンチョルさんと一緒に住む？
言われた言葉に息が止まり姉ちゃんへと視線を向けると姉ちゃんは目を見開いたまま口をポカンと開けたまま立ち尽くしている。
『チャン君、私に言ってくれたよね？』
「へ？」
『俺はここを離れて姉ちゃんと帰らなくちゃいけないの？って。名残惜しそうにさ？』
「へ、あっ、いや……それは、」
『お姉さんも、私に言ったでしょ？』
「……………」
『家に帰らなくて済むのなら、どれだけ幸せなんだろう、って』
「……………」
「……姉ちゃ、」
そうだ、姉ちゃんからすればあんな家に帰らなくて済むのは願ってもないほどの出来事だ。
でも、そんな事本当に出来るのだろうか？俺と姉ちゃんがあの家から出て行く？そんな事きっとアイツは許してなんかくれない。
こんなチャンスは二度と無いかも知れない。でも、
「………すみません、出来ません」
『え？』
「は？」
「………………」
俺の発言に目を丸くしたAさんとスンチョルさんは驚いたまま、言葉を失っているようだ。
姉ちゃんに関しては俯いたまま顔を上げる事さえしなかった。そうだよね、目の前にこんなチャンスがあるのにみすみす見逃すような事しか出来ないのは歯痒いよね
「覚えてますか？母の俺と姉の扱いの差を。」
『も、もちろん分かってるよ？だからチャン君とお姉さんを、』
「姉はもしかすると逃げられるかもしれない。存在は無いに等しいので、」
『だったら、どうして……』
「……チャンが逃げられません、」
目を伏せたまま口を開いた姉ちゃんの声は絶望で染まった声色をしている。
「逃げられないって何？どういう事？」
そう聞いたスンチョルさんは顔を顰めながら姉ちゃんへと視線を向けた
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ノルン(プロフ) - 小蝦さん» お読み頂きありがとうございます🙇♀️かなり長くなったのですが読んで頂き感謝です☺️これからも是非、楽しんでって下さい💋 (2月27日 17時) (
レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
小蝦(プロフ) - ノルンさん完結おめでとうございます！今回もとても面白く更新が楽しみでした！次回作も楽しみにしてます！！ (2月27日 14時) (レス) @page31 id: 1f0b770aa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月22日 23時
