62 Cits ページ14
『……分かった。じゃあ今日帰るかも知れないんだね？』
「……はい。母には友人の家に泊まっているとは伝えましたがいつまでもそんな理由で通用しないと思いますし、」
『……そうだね、お母さん、お姉さんの事は何か聞いてきた？』
「………いえ、何も」
『……そっか、』
少し静まり返ったリビングと少し遠い目をしているチャン君。彼自身は何を考え何を望んでいるのだろうか？
チャン君へと近寄り頬を優しく撫で上げると私を見つめたチャン君の目は少しだけ寂しさが宿っている気がした。
『……ここは、チャン君の第二の家だよ』
「へ、」
『何かあったらすぐに帰っておいで？もちろん、お姉さんもね？』
「………うん、」
『んまぁ、お姉さんの場合は第二の家はスンチョルの所かも知れないけどね？』
「……姉ちゃんが幸せなら、スンチョルさんの所が第二の家でも俺は許せるかも」
『お？スンチョルは、シスコン弟を認めさせたのか』
「……だから、シスコンじゃ無いって、」
そう言って少しむすくれながら俯いたチャン君に笑いが込み上げた。
私は良いと思うけどね？そんなに愛情の詰まっているシスコンならさ？
そんな気持ちのまま目にかかっていたチャン君の前髪を退かすと露わになった切れ長の目はまた私の姿を捉えた
『……今日チャン君が迎えに来る事、スンチョルにも伝えておくよ』
「……はい、お願いします」
『うん。とりあえず私は顔を洗ってメイクして着替えたらすぐ出てくね？朝ご飯、ちゃんと食べるんだよ？』
「分かりました」
そう返事をした彼に頷くと私は洗面所へと向かった。顔を洗ってメイクを済ませて服を着替えると9時前になった時計を見て慌ててチャン君に声をかけて外へと飛び出した。
キッチンカーへと乗り込みエンジンをかける前にスマホを取り出してある人物の名前でタップすると鳴り続けるコール音。
出るかな？………それとも仕事だろうか？
「もしもし？」
『あ、もしもし？時間大丈夫？』
「あぁ、まだ大丈夫だよ。どしたの？」
今は外にいるのだろうか？周りが少しガヤガヤとしている状態で聞こえたスンチョルの声に私が電話をした理由を告げた
『……チャン君が今日、お姉さんに会うって。』
「え？」
『お姉さんと話をして和解したら家に帰るってさ』
「……………」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 617人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノルン(プロフ) - 小蝦さん» お読み頂きありがとうございます🙇♀️かなり長くなったのですが読んで頂き感謝です☺️これからも是非、楽しんでって下さい💋 (2月27日 17時) (
レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
小蝦(プロフ) - ノルンさん完結おめでとうございます！今回もとても面白く更新が楽しみでした！次回作も楽しみにしてます！！ (2月27日 14時) (レス) @page31 id: 1f0b770aa6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月22日 23時
