6 Cits ページ8
「こんにちはっ！」
『おぉー！チャン君！いらっしゃいっ！』
あれから二日後。またうちのキッチンカーへとやって来てくれたチャン君に挨拶をするとチャン君は嬉しそうな声を上げた
「そういえばこの間、唐揚げが一つ多かったんです！」
『あぁ！そうそう！いつも3個と2個に分けるでしょう？2個は少し可哀想だから1つ多めに入れたんだ！喜んで貰えて良かったよ』
「凄くお得感を感じて嬉しかったです！間違えちゃったのかと思って、ラッキーなんて思ってましたっ！」
そう言って嬉しそうに笑ったチャン君の姿を見ると笑っていた口角が少し下がっていったのが自分でも分かった
やっぱり、この間と同じ服だ。下は一緒じゃ無いけど下も何回も見るズボンだなぁ、
あんまり人の姿をジロジロ見るのは良く無いよな、そう思って唐揚げ弁当の準備をしているとチャン君はある方向を見たまま動かなくなってしまった。
どうしたんだろう？そう思ったがチャン君の見ている位置にあるのは確か……………
「……バイト、募集してるんですか？」
『あぁ、うん！ちょっと人手が足りなくてねっ』
そうだ、バイト募集の紙だった。でも、その張り紙を見つめるチャン君の顔は少し険しくて眉間に皺が寄っている。どうしてそんな顔をしているのだろうか？
「……あの、仕事内容ってどんな内容、なんですか？」
『へ？……あ、えっと、普通だよ？お客さんの接客だけど、主に頼むのは雑用かなぁ？』
「……雑用？」
『たまにお客さんが多い時あるから、米や鶏肉が無くなっちゃう時があるの。それを取りに行って貰ったり、買い出しに行って貰ったりかな？……私一人だからどうも出来なくてさ？』
「あぁ、……確かにそうなると大変ですよね、」
『そうそう！どう？チャン君、働かない？』
「あっ……すみません、僕もうバイトしちゃってて、」
そう眉を下げながら申し訳なさそうに言ったチャン君に慌てて大丈夫だよ、なんて声をかけた。
チャン君は愛嬌があるから接客に向いてると思ったんだけどなぁ、
まぁ、バイトしてるなら仕方ないか。そんな事を考えながら唐揚げを揚げているとまた口を開いたチャン君から発される声はいつもより少しだけ小さかった
「……あの、少しお聞きしたいんですけど、」
『ん〜？何？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 720人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月11日 23時
