烏と鴉は天色の大空へ (ページ50)

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48 Cits ページ50

　
　
　
　
　
　

『アイライン、引くね？』

そう伝えて瞼を引っ張り上げて目の途中からラインを引き目尻から少しだけはみ出させるとより印象深い大人顔になった彼女に無意識に言葉が出てしまった

『……スンチョル、堪んないだろうなぁ』

「……へ？スンチョルさん？」

『あ、ごめん。何もない』

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
　
20分程で完成した彼女のメイク姿は私も見惚れてしまうほどの顔になってしまった

『出来たよ、見る？』

「あ、はい」

そう言って彼女に小さな鏡を手渡すと彼女は自分の顔を見て言葉を失ってしまった

「………えっ、あっ、………え？」

『ふふっ、すっごく美人さんになっちゃったね？』

そう伝えると自分の目元をマジマジと見つめている彼女の腕を引っ張って立たせると驚いた彼女は私へと視線を向ける

『驚くのはまだ早いよ？』

「え、」

『これから、美容院へ行って髪の毛を切りに行くよ？その後は外出用の服や、必要な物を全部揃えに行く』

「え、」

『ほら、早く着替えて来て？』

そう伝えると、戸惑ったようにしながらもワンピースを持ったままリビングから消えていった。

数分ほど待つとリビングへと戻って来た彼女に口角が上がりきってしまった。

『………いいね？スッゴイ似合ってるよ？そのワンピース』

「何か、スースーしますね」

『ふふっ、スカートだからね？』

スンチョルが見たらどうなるんだろうか？あの子失神すんじゃないの？

『準備出来たね？そしたら、美容院の予約時間も近いしそろそろ出るよっ！』

「えっ、あ、は、はいっ！」

　
　
　
　
　

彼女の腕を掴んで玄関に置かれたままの家の鍵を手に取り二人で外へと飛び出すと雲一つない青空が私達を出迎えてくれた。

太陽の光でキラキラした彼女の姿を初めて見た瞬間、次はどんな姿になるのだろうか？そんなはやる気持ちのまま彼女の腕を掴んだまま、マンションから出ていき車へと乗り込んだ

　
　
　
　
【烏と鴉は天色の大空へ続編へ】⇨
　
　
　