43 Cits ページ45
「おはよう」
『………っ！！？』
朝、誰かに声をかけられて目を覚ますとスンチョルさんの姿に驚くほど体が飛び跳ねた
そうだ、スンチョルさんは私をこの家へと連れて来てくれたんだった。……もう朝？私はスンチョルさんよりも遅く起きたって言うの？
誰よりも一番早く起きていた私が人よりも遅く起きてしまうなんて、まず、スンチョルさんはどこで眠ったのだろうか？眠れたのだろうか？
『あっ！ご、ごめんなさいっ！私ったら、！』
「あー、いいよ、そのまま聞いて？」
布団をガバッと捲り上げて無理矢理寝転がされたベッドから出ようとすると私の動きは制止されてしまった
スーツを着こなしているスンチョルさんに目線を向けると私から目を逸らして私の一日のスケジュールを教えてくれた
「今日は、キッチンカーを出さないらしいからバイトは無し」
『……え、』
「ただ、その代わりに姉ちゃんがここに来るらしいんだ。………多分、何か変な事考えてるんだと思うんだけど、」
『……へ、変な事？』
「とりあえず、姉ちゃんから下着とか服を借りてるから風呂入ってきて？脱衣所に袋を置いてるからその中から取り出して着てね？分かった？」
『は、はい、』
お姉さんが服を貸してくれてるの？お風呂も入られるだって？あぁ、何から何まで至れり尽せりじゃないか、
「……あと、確認なんだけど、」
『はい、』
スンチョルさんはベッド下の床へと足を崩して座り込み少し項垂れると小さな声で問いかけた
「姉ちゃんと話してさ、君がチャン君と家に帰れるまでどちらかの家に居て貰おうかって、話になってるんだ」
『……は、』
「……そのー、……ど、どっちがいいとか、ある？」
『………………』
どっちかの家に居て貰う？そんな事まで話してくれてたの？どっちかの家にだなんて、そんな事
『………どちらのお家にも、いれません』
「……は？」
『そんなに迷惑なんて、かけれませんし、……一日でもここに居させてくれただけでも有難いのに、……もっと長く居てしまうなんて、』
「うーん、……それは予想外だったなぁ、」
だって、そうでしょう？元々は一人で生きていく、って決めてあの場所から離れたはずなのに、またどちらかに頼って生きていくなんて私には考えられない
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月11日 23時
