42 Cits ページ44
そっか、
お姉さんは私よりもスンチョルと距離が近い、と思っていたけど、チャン君と距離が近いのはスンチョルじゃ無くて私になる。
私がスンチョルに言ったように、チャン君からすればスンチョルの家に行くより私の家に居た方が気が楽になるのか、
『……あぁ〜、うん……大丈夫、だよ』
「ほっ、本当ですかっ？」
『う、うん、チャン君が私の所で良ければ、だけど』
「……いや、僕はAさんの所にいれる方が嬉しいです」
『……な、なんて事を、』
「へへっ、ありがとうございます」
嬉しそうに笑ったチャン君は肩を少しすくめると私にこんな事を言い出した
「スンチョルさんを見習ってみました」
『は？ス、スンチョル？』
「Aさんが甘え下手だなぁ、なんて言うから少し甘えてみたんですっ！……甘えれてますか？」
『えっ！……あぁ〜、うん、そ、そうだね、出来てる……かなぁ？』
「疑問系、ですか？」
『あ、いや、出来てるよ、うん』
「……そっかぁ、良かった」
いや、良くないよ。私、チャン君に言ったじゃん。もっと放っておけなくなるかも、ってさ。言ったじゃん
スンチョルとはまた違う破壊力のある言葉に少しタジタジになっているとチャン君がまた口を開く
「……明日、お弁当一つ持って帰ってきてくれませんか？」
『え？……あぁ、明日はね？臨時休業しようと思ってて、キッチンカーは出さない予定なの』
「あ、じゃあ、Aさんのお弁当食べれないんですか？」
『んー、そうだねぇ。……でも、毎回食べるのは飽きちゃうでしょ？たまには自分の食べたい物を食べたら？』
「ふふっ、何言ってるんですか？」
『へ？』
私の言った言葉におかしそうに笑って肩を揺らしたチャン君はまた私を見つめると柔らかく微笑んで呟いた。
……あぁ、そんな目で私を見つめないで
「僕、Aさんのお弁当本当に大好きなんですよ？」
『……………』
「いくら食べても飽きないんです、また欲しくなる」
『………あ、そう、なんだ』
「食べたくない日なんて無いんだから」
『…………………』
困った子だなぁ、こんな事を言う子と暮らして行くって言うの？………これからが大変そうだ、
振り回されそうな日々を想像すると思わず出た苦笑いはチャン君には見て貰えず私の気持ちは残念ながら届く事は無かった
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月11日 23時
