41 Cits ページ43
帰る理由なんてない？……この子はお姉さんが家に帰らなければ一人では家に帰らないって事を言ってるの？
……そんな事言ってもお姉さんを一人で家に帰すとどうなるか分かったもんじゃない。かと言って、二人はまだ顔を合わせる程気持ちが落ち着いている訳でも無いだろうし、
うーん、どうするか、
チャン君の言った言葉に少し考えていると布団に埋めていた顔を上げてベッドへ座っている私を見上げたチャン君は私の目を真っ直ぐと見つめた
「……僕も、どちらかの家にいちゃ駄目ですか？」
『な、……えっ？』
なるほど、そうきたか。それは予想していなかったな、
どちらかの家にいちゃ駄目か？、私は大丈夫だしスンチョルもきっと大丈夫だろう。だけど問題はスンチョル側だ。
………お姉さんがスンチョル側を選ぶ確率がきっと高い。そして、間違いなくスンチョルはチャン君よりお姉さんが家にいてくれる事を望んでいる。一人の男として、
『……あ、あの、多分それは大丈夫、なんだけどね、？』
「……はい」
『あの、高確率できっと、お姉さんはスンチョルの所にいたい、って言うと思うの』
「へ？あ、はい」
『だから、多分チャン君のいる場所となるとスンチョルの家より、多分私の家になると、……思うんだよね、』
家に帰りたくない、そんな事をチャン君から言われると思っていなかった私は今かなり動揺しているだろう。
いや、だって、男女が一つ屋根の下、だよ？そんな事あってもいいのか？
いや、別に変な事を考えている訳では無い。……ただ、男のチャン君からしたら女の私よりスンチョルの所の方がいいんじゃないの？ほら、気を遣わなくていいだろうし、
スンチョルに言った言葉が自分に特大ブーメランになって返ってきている事に気付かずに一人で悶々と頭を働かせているとチャン君が口を開いてしまった
「……Aさんは、嫌ですか？……僕がここにいるの」
『え？…あ、いや、そんな訳じゃ、』
「僕は、AさんがいいならAさんの家にいさせて貰えると嬉しいな、と思ってます」
『……………』
「……本音を言うと、姉ちゃんがスンチョルさんの所に居たいって言ってくれよ、なんて思っちゃってます」
そう言って、へへっ、と少し恥ずかしそうに笑ったチャン君に思わず目を逸らしてしまった。
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月11日 23時
