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40 Cits ページ42

 
 
 
 
 
 
 
「……おかえりなさい」


『え、あ……起きてたんだ、』




首ったけになるような状態にする、そんな言葉を吐いてポカンとアホ面をかました弟の家から出て行き家へと帰ってきて寝室の扉を開けると布団に潜っていたはずの彼は体を起こしていてこちらへ視線を向けた




「ずっと起きてました、すみません」


『あー、ううん、大丈夫だよ。謝らないで?』




彼の横を通り過ぎて自分のベッドへ腰掛けるとチャン君は体をこちらへと向けた。




「……あ、あの、姉は今どこに、?」


『………スンチョルの所』


「え、あっ、帰って、無かったんだ……」


『チャン君と同じ理由で帰らなかったみたい』


「……え?」


『私が帰れば弟が帰り辛いかもしれない、そう言って自分を売って生活しようとしていたみたい』


「は、……はぁ!?」


『あ、大丈夫だよ?それはスンチョルが止めたみたい。それで家まで連れて帰ってきたってさ』





そう告げると安堵したように息を吐きながらそうですか、と呟いたチャン君はそのまま俯いてしまった




『……似てるね?姉弟共々』


「え、」


『お互い気遣ってどっちも家に帰ってないなんてね?』


「……………」



黙ったまま俯いているチャン君に先程話したスンチョルとの話をするのは丁度いいかも知れない。そう思いチャン君へ視線を向けて口を開いた




『スンチョルと、話し合ってきたんだけどね?』


「え、あ、はい」


『チャン君は家へと帰りな?』


「えっ?で、でも、それだと姉ちゃんが、」


『お姉さんは、私かスンチョルが責任持って預かるからさ?チャン君もまだお姉さんと二人で家に帰れる程、気持ちは整っていないでしょう?』


「……………」


『チャン君とお姉さんが話し合える気持ちが整ったら二人で家に帰れば良い。その少しの間だけどっちかの家にいて貰うだけだよ』




そう伝えると布団をギュッと握りしめたチャン君の手は少しずつフルフルと震えてきてしまった




「……俺は、一人であの家に、?」


『だって、お母さんも心配するだろうし、』


「……姉ちゃんの心配なんてしない癖に?」


『………………』


「……姉ちゃんがいないあの家にもう帰る理由なんて無い」


『………え、……、え?』





そう言って布団に顔を埋めたチャン君の姿を見て少し戸惑ってしまった。
 
 
 

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作者名:ノルン | 作成日時:2024年2月11日 23時

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