34 Cits ページ36
「もしもし、姉ちゃん？起きてた？」
『あぁ、スンチョル。私も今かけようと思ってたの』
チャン君を連れて帰りご飯を食べさせてお風呂へと入って貰った後は私の寝室に敷いた敷布団へと入って貰った
リビングで一人になった私は、スンチョルにどうなったのか確認しようと携帯を持ってベランダに出ると良いタイミングで入った着信はスンチョルからだった。
「……そっちどうなったの？チャン君は？」
『……あぁ。……自分が家に帰ればお姉さんが帰れないから家には帰らない、なんて言っちゃってさ？』
「……は？え、じゃあ今どこにいんの？」
『どこ行くか分かんないから、とりあえず家に連れて帰ってきたよ。今さっき寝室に入って貰った所。……寝てるかは分かんないけどね、』
「は、マジかよ。それなら帰せば良かった」
『え？』
重く溜め息を吐いたスンチョルは呆れたような声色で話し始めた
「俺も連れて帰って来たんだよ」
『え、そうなの？』
「うん、あの子も私がいたらチャンが帰れない〜つって帰ろうとしなくてさ？挙げ句の果てには自分を売って生きていく、なんて言い始めちゃって」
『……は、…….はぁ？』
自分を売って生きていく、ってそういう事だよね？義務教育を受けていないのにそんな事は知っているのか？そう思ったが、前に言ったチャン君の言葉を思い出した
"母は女なんだから体を売って金に変えてこい、と告げました。僕が止めて事なきを得ましたが……"
あぁ、そうか、
彼女はお母さんから一度自分を売れって言われたんだっけ？それじゃあ、彼女はそんな事をして生きていこうとしていたって言うの？……何とも無謀な事を考えたもんだ、
『……それで？お姉さんは今、何してるの？』
「寝てるよ。多分疲れたんだろうね」
『そう』
「とりあえず、今からウチに来てくんない？」
『は？』
今からスンチョルの家に？ふざけないでよ、何時だと思ってんの？
時計に目をやると時刻はもう23時すぎだ。
『いや、何で？私寝たいんだけど』
「あの子に着せる服も下着も無いんだよ、だから風呂入れてないんだよね」
『………あぁ、そっか、服』
「………それに、チャン君とこの子をどうするか、少し話した方がいいだろ」
『……………』
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月11日 23時
