2 Cits ページ4
「……まぁ、考えといてあげるよ」
『は？何が？』
「お手伝い」
『あぁ、ウソウソ！良いって！大体アンタ使えなさそうだし』
「………はぁ？」
ジト目で私を睨むスンチョルだが全く怖くないよ。きっと威嚇しているであろうその顔を見て鼻で笑ってしまうと馬鹿にされたのが分かったのか飲んでいたペットボトルのお茶の蓋を投げつけて来た
そういう所が可愛いんだよ、私からすれば。
投げられた蓋を捨てようとすると慌てて止めに入ってくるスンチョルに思わず笑ってしまうと呆れたように溜め息をつきながらまた簡易型階段へ座り込んだ
「ねぇ、おまけでもう少しご飯ちょうだい？あと、唐揚げ一個」
『はいはい』
冷蔵庫からお肉を取り出し特製のバッター液に浸して油の中へと入れると楽しそうに油の海を泳ぎ回る一つの唐揚げ。
………チャン君、オマケした唐揚げ喜んでくれたかな？
そんな事が頭によぎると私の中で不思議な存在のチャン君の話をスンチョルへと話してみたくなってしまった
『私の店にね、大学生っぽい男の子が来るの』
「うん」
『その子がちょっと気になるんだけどさ』
「え？恋的な意味」
『へ？あぁ、違う違う。そっちの気になるじゃ無くて……何か弁当の買い方が特殊でさ？』
「特殊？」
私に体を向けてお茶を飲みながら話を聞くスンチョルに疑問に思っていた事を口に出していった
『弁当をいつも二つに分けるんだよね』
「二つ？」
『うちの弁当って、唐揚げ5個と白ごはん、それに日替わりの添え物でしょ？』
「うん」
『いつも、そのまま持って帰るんじゃなくて唐揚げ二つと白ごはんを半分小さいパックに入れて下さい、って言うの』
「何で？」
『分かんない』
私がそう伝えると、首を傾げたスンチョルだったけど私が気になってるのはその弁当事情だけでは無い。
『後ね、服がいつも同じようなのばかりなんだよね』
「服？男なんか皆そんなもんじゃないの？」
『……うーん、そうなのかなぁ？』
似ているデザイン、とかなら分かるけどそんなんじゃ無いんだよなぁ。
大学生のチャン君。私から見ると髪の毛も綺麗にセットされていて服のセンスも中々あるし清潔感は漂っている。
なのに、同じ服を何度もローテーションして着ている姿に少しだけ違和感を覚えたんだ。
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月11日 23時
