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22 Cits ページ24

 
 
 
 
 
 
 
 
出来上がった唐揚げ弁当をオーナーさんから頂くと後片付けを始めるからあそこのベンチに座って食べて?そう言われて指を指す方向を見ればこのお店から少し離れた場所にベンチが置いてあった。




行こうか、そう言いながらベンチへと移動するスンチョルさんの背中を追って二人でベンチに座り唐揚げ弁当の蓋を開けると出来立ての唐揚げ弁当は湯気を立てて美味しそうな匂いで周りを包み込んだ




「あーー、腹減った。頂きまーすっ!」


『……頂きます、』




私はほとんど働いてもいないのにご飯まで頂いて良かったのだろうか?しかも、こんなにもたくさんの量、



チャンが与えてくれる唐揚げ弁当はいつも冷え切っていてそれがいつも通りな私にとっては温かい状態のご飯なんて人生初なのでは無いか?



真っ白のふっくらとしているご飯はすんなりと箸が通り驚いてしまった。白ごはんを食べる時はいつも箸を刺さないと食べる事が出来なかったのに、



『す、すごい、……刺さなくても一口分掬える、』


「………は?」






私の言葉に何言ってんの?とでも言いたげなスンチョルさんに慌てて言葉をかけた



『あっ…!す、すみませんっ、いつもご飯を食べる時は、こんなに温かいの食べれないのでっ、』


「えっ、」


『弟がくれる唐揚げ弁当はいつも冷たいから、……レンジを使うと母に何を温めてるのかバレるんで使えないんです』


「は?じゃあ、ずっと冷たいまま食ってたの?」


『あっ、はいっ!でも、食べれるだけ有難いので充分なんですけどねっ?でも、今はこんなに温かい状態で……、凄いですねっ?白ごはんにスッとお箸が通ってるっ!』


「……………」




お箸を突き立てなくてもいいご飯の状態に何だか感動してしまいお箸で白ごはんを何度も何度も掬い上げた




不思議だなぁ、いつも切るようにしないとご飯なんて掬えないのに。




「……そんなんしてたらいつもみたいに冷めちゃうよ」


『あっ、本当ですねっ!いっ、頂きますっ!』





温かい白ごはんを口の中に入れるともう感動しか出てこなかった




いつも食べているあの冷たいご飯は何だったんだろう?そんな気持ちが込み上げてきてしまった。





温かい白ご飯ってこんなに柔らかいの?こんなにも水分が含まれているの?…………皆はこの白ご飯が普通なの?
 
 
 

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作者名:ノルン | 作成日時:2024年2月11日 23時

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