頭隠して君隠さず

6 Zip!! ページ7

　
　
　
　
　
　
　
　
「どうして私との時間をもっと取ってくれないの？って聞かれたんだよね」


『うん』


「だから、何で俺が自分の時間を削ってあなたとの時間を取らなきゃいけないんですか？って聞いたら怒られた」


『……あぁ、なるほど』






まぁ、付き合っている男からそんな言葉を言われちゃあブチぎれるわな



少し呆れながら頷いていると私の顔を見て不思議そうに首を傾げたジスから飛び出た言葉は疑問の言葉だった




「……え？何で？俺が悪い感じ？」


『……まぁ、付き合ってる男から言われたら怒るし悲しくなるんじゃない？』


「でも、相手が好きじゃなくてもいいから付き合って欲しいって言ってきたんだよ？」


『それでも一応好きになる努力をしてみる、とかさぁ？』


「それは俺がする努力なの？相手がする努力でしょ」


『………………』





そうだ、ジスはそんな奴だったね。





女を食い散らかすジョンハン、女泣かせのジス。




中性的な顔立ちでスタイルも良く誰にでも優しいこの二人は並ぶと双子のように見える事から双子なんてあだ名をつけられてしまった。




だが、そんな双子がモテ始めた瞬間に双子は正体を現し始めた。




一人は女と付き合う事もせずに自らの相棒を暴れさすのみ、もう一人は誰とでも付き合うが一ヶ月持てば長いと言われてしまうような男。




そんな二人を落とす難易度が高すぎる事からついたあだ名は双子鯛。




海老で鯛を釣る、ってことわざあるじゃん？どちらか落とせれば海老で鯛を釣る事になるじゃん！って事からついたあだ名らしい。




海老は誰かって？性別が女なら全員海老だよ。




そんな噂を面白がって双子は海老のランク付けをしてしまった。




上から、伊勢海老、海老、小エビ、らしい。小エビは一人しかいないらしいけど。





『でもさ、今回は伊勢海老だったんじゃないの？』


「伊勢海老なら何でも言っていい訳じゃないよ」


『でも、年上のバリキャリお姉さんだったんでしょ？勿体無いなぁー』


「外見は伊勢海老でも中身はザリガニだよ」


『……………』




今日もジスはいつも通り順調そうだ。ジスの言葉にとりあえず笑顔で頷いておいた。
　
　
　
　

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