20 Zip!! ページ21
「……何、その辛気臭い顔」
『……え、そんな顔してる？』
「うん、俺の生気吸い取られそう」
『……吸い取られる位が丁度いいんじゃない？』
会社に着くや否や私の顔を見てゲンナリ顔をするジョンハンはこう見えて私を心配してくれているんだろう、多分
そそくさとあの場を去っていったスングァン君はバスに乗った後も結局見つからなくて何だかこのまま私の前から消えてしまうんじゃないか？と思ってしまう程だった。
『………はぁ、』
「あんま興味ないけど聞いてやるよ、どうしたの？」
『………分かんないの』
「は？」
『スングァン君がもう私と会わない、って』
「誰だよ」
私と会わない、自分で言っておきながら重くのしかかったその言葉は中々痛くてまた深い溜め息が漏れてしまった
そんな私の姿を見て少し困った顔をするジョンハンは首を傾げて私の顔を覗き込んだ
「何か心当たり無いの？」
『無い』
「知らない間に傷つける事言っちゃった、とか」
『無い』
「ジョンハンに抱かれてみたいんだよね、とか」
『興味はある』
「お前否定しろよ」
ジョンハンまでもが深い溜め息をついて頭をポリポリと掻くと少し言いにくそうに口を開いた
「……んー、言いにくいんだけどさ、」
『…………』
「……あれじゃない？他に好きな人出来た、とか？」
『もし他に好きな子出来てたとしても、そんなにガッツリ私の事避ける？もう会わない、なんて言わないでしょ？私を見た瞬間逃げるように去ってったんだよ？』
「それもそっか、………なら、お前の事諦めようとしてるとか？」
『………諦める？』
どうして諦める必要があるの？昨日の朝に私の手をギュッと握りしめたくせに？なのに、急に諦めようとするの意味分かんなくない？
「だって、諦めようとしてるなら辻褄合うんじゃないの？諦めたいからもう会わない、諦めたいから姿を見たくなくて逃げちゃった、とか？」
『……何で諦める必要あんの？』
「知らねーよ」
『………………』
………諦めようとしてる？折角、向き合おうとした所なのに？向き合おうとするのが遅すぎた？
………本当にもうあの笑顔を見られないの？
私の予感は虚しくも的中してしまいあれから一週間ほどずっとスングァン君の姿を見る事さえ叶わなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノルン(プロフ) - おきょんさん» 返事遅くなりすみません🙇♀️いつも読んで頂きありがとうございます！最近更新遅いですが楽しみに待って頂けると嬉しいです🥰 (2月10日 14時) (
レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
おきょん(プロフ) - 毎回更新を楽しみに仕事頑張っています！全話楽しく面白く読まさせていただいています！無理をせずに更新頑張ってください！ (2月6日 12時) (レス) @page30 id: c8cd884924 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - しゅーまいさん» 初コメありがとうございます🙇♀️もちろん、これからも書いていきますよ！また新しいぶーちゃん話を出すのは当分先になりますが、楽しみにお待ち下さいませ😇 (2月4日 20時) (レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
しゅーまい(プロフ) - 初コメ失礼します。ぶーちゃんの小説がとっても少ないので、大好きなノルン様が，ぶーちゃんの小説を書いてくださっているということで今とっても嬉しいです！！！！今後もぶーちゃんの小説を書いてくださると嬉しいです。更新頑張ってください！楽しみにしてます〜 (2月4日 18時) (レス) @page16 id: 49b25ea2d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノルン
| 作成日時：2024年2月1日 21時
