プロローグ ページ1
やっと連勤が終わって土曜の昼。
今日もいつものようにベッドに寝転びながら起きたての頭を覚醒させる為に短い針が11を指している時間帯に未だ天井を見上げ続けていた時だった。
ピンポーン
そんな時に部屋に鳴り響いたチャイムの音。誰だよ、ふざけんなよ、なんて心の中で悪態を吐きながらノソッと体を起こして床に足をつけた瞬間だった。
ピンポーン
………聞こえてるっつーの。
チャイムを押してるやつは急かすタイプの奴か?人の動きに合わせられないタイプの人間かもしれんな
はいはいはいはい、と聞こえもしない声を発しながら玄関まで向かい扉をガチャッと開けた。
「あっ、あのっ!僕隣に引っ越してきました!」
『あぁ、……どうも、』
最近の子は人の顔を見ないのだろうか、
少し茶色がかった髪の毛を揺らしながら大きな声でハキハキと喋ってはいるが全く目が合わない。
緊張してるのか、青年よ。隣に住んでる人間がどんな奴かも分からないのに緊張するなんて君は人見知りするタイプなのか?
「あっ、あの、僕大学4年の、ブ・スング……………」
『?……は、はい?スングくん?』
「……あっ、いや、すみまっ、」
『………はい?』
何故、彼はこんなにも挙動不審なのだろうか、
目を見開いたまま私を見続けて急に謝り出した彼に思わず首を傾げてしまった
「……あ、えと、ブ・スングァンです、」
『あ、あぁ、スングァン君。はい、』
先ほどまでの勢いは何処へやら、目を左右に泳がせながら小さく呟いた彼はまた俯いてしまい小さい声で自己紹介してしまった。
『……あ、えと、よろしくね?』
「あっ、はいっ、こちらこそ、よろしくお願いします」
そう言って深々と頭を下げた彼は持っていた箱を私に差し出すとまた小さい声で呟いた
「……あの、これつまらないものですが、」
『…………あ、うん』
つまらないものなんて、ドーンッ!!!と投げ飛ばしてしまいそうな気持ちを押し殺しながら小さく会釈して受け取ると彼は顔を上げて少し可愛らしく笑った
「こっ、これからよろしくお願いします、お姉さん」
『あ、うん、よろしく』
これが、私とイケメントーマス君の初対面時の出会いだった。
あの時は可愛かったね、スングァン君。
まさか、あの時のあんなしおらしい姿が今の姿になるなんて微塵も思ってもみなかったよ。
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ノルン(プロフ) - おきょんさん» 返事遅くなりすみません🙇♀️いつも読んで頂きありがとうございます!最近更新遅いですが楽しみに待って頂けると嬉しいです🥰 (2月10日 14時) (レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
おきょん(プロフ) - 毎回更新を楽しみに仕事頑張っています!全話楽しく面白く読まさせていただいています!無理をせずに更新頑張ってください! (2月6日 12時) (レス) @page30 id: c8cd884924 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - しゅーまいさん» 初コメありがとうございます🙇♀️もちろん、これからも書いていきますよ!また新しいぶーちゃん話を出すのは当分先になりますが、楽しみにお待ち下さいませ😇 (2月4日 20時) (レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
しゅーまい(プロフ) - 初コメ失礼します。ぶーちゃんの小説がとっても少ないので、大好きなノルン様が,ぶーちゃんの小説を書いてくださっているということで今とっても嬉しいです!!!!今後もぶーちゃんの小説を書いてくださると嬉しいです。更新頑張ってください!楽しみにしてます〜 (2月4日 18時) (レス) @page16 id: 49b25ea2d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノルン | 作成日時:2024年2月1日 21時