9 trick ページ10
チャニさんはチョコ牛乳を片手に持ち頭を上に上げながら、ボソボソと確かめるように呟き出した
「……確か、ジフンさんが言ってたのは、」
「…………」
「倉庫の広さは人が大体三人ほど入れる広さで、中には高さのあるラックがある。その一番上には小麦粉が大量に積まれていてその内の二つがハサミで開けられていて一番上のラックにハサミが置いてあった」
「…………」
「そして、床には大量に小麦粉が積もっていて奥さんの近くにはライターが落ちていた……だっけな？」
「小麦粉が積もってライター、か」
奥さんは、小麦粉を落としてしまったのかな？でも封が開けられていたんだよね？ラックの上にハサミがあるんだし、
『……どういう事だ？』
首を傾げながら独り言のように呟くと、ミョンホさんはチャニさんへと質問を投げかけていく
「その倉庫に窓は？」
「確か、あったんじゃないかな？」
「小麦粉の袋は上に置いたまま？」
「うん」
「小麦粉一袋の重さは？」
「え、どうだろう……でも、パン屋だからなぁ、中々の重さはあるんじゃない？」
そこまで聞いたミョンホさんは、あぁ、と呟いて頷くと聞いた事のない名称を口にした
「だったら、粉塵爆発なんじゃない？」
『……何それ、」
「粉塵爆発ぅぅ！？小麦粉だよっ！？」
「小麦粉でも充分爆発するよ」
『えっ！？小麦粉が爆発したんですか！？』
「小麦粉が爆発っていうか、小麦粉が原因で爆発が起きたって感じ？」
「『………………』」
目をひん剥いて黙ったままのチャニさんへと視線を向けてしまった。目が合ったチャニさんと私はきっと同じ顔をしているだろう。
というか、チャニさんにも知らない事あったんだな、
「……どうやって、小麦粉で爆発なんてするの？」
チャニさんが口角をヒクヒクさせながら、ミョンホさんへと聞くとミョンホさんは眼鏡のブリッジをクイッと上げると口を開いた。
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年1月5日 20時
