6 trick ページ7
「すごいよね？あんな小さい塊が使い方によっては内臓破裂させちゃうんだからね」
『…………』
「チャニは、この間その確認に来たんだ。水の中で手榴弾を落とす理由は？ってさ。もう犯人が捕まるのも時間の問題なんじゃないかな？」
『…………』
「でも、ここ最近物騒だよね？Aは大丈夫？」
『……え？何がですか？』
「え、知らないの？」
そう言って私へと視線を移したミョンホさんは驚いた顔をした後に眉を顰めたからか眼鏡がずれ落ちてしまった。
「ニュース見てないの？平和ボケやばくない？」
『ニュース、ですか？』
そう聞くとミョンホさんは今流れているニュース画面へと指を指した。
「この犯行が行われた山、どこか分かってる？」
『え、』
「東町の近くだよ？」
『えっ……えぇ！？』
東町は私が住んでいる町だ。
嘘でしょ？私の住んでる町の近くの山でそんな事件が起きたの？
「3ヶ月前の、家政婦が子供を使って子供を殺害した事件知ってる？」
『え、あ、あぁ、はい』
「……あれも東町だよ？知らなかったの？」
『な、……何ですって？、』
「家政婦は捕まったし、今回の犯人もきっとチャニが導き出すだろうけど気を付けなよ？立て続けに東町で事件が起きてる」
『……一体、東町で何が起きて、』
「さぁ？そこまでは僕も分からない」
え、何それ？怖いんだけど。家政婦の事件が起きて少ししてから内臓破裂事件？東町、呪われてんじゃないの？
顔が青くなった私を励ますようにミョンホさんは私の肩を叩いた。
「あー、まぁ、ほら！とりあえず全員捕まってるし大丈夫だよ、ね？しかも、僕の家出入りしてるからあんまり長時間家にいないじゃん？」
『……そうですね、』
「……何かごめんね？怖がらせるつもりは無かったんだけど……でも、本当気を付けなね？」
そう言って優しく私の頭を撫でると、ミョンホさんはテレビを消してリビングから出て行ってしまった。
あぁ、引っ越し先に東町を選んだのは間違えてたかも知れない。家賃に魅力を感じすぎてしまったか、
半年以内に私の住んでる東町で二件の事件が起きて身震いをした私が三件目の事件を聞いたのはそれから一ヶ月後だった。
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年1月5日 20時
