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都市部から離れたミョンホさんの家。
どうして頭の良い人って人との距離を開けたがるのだろうか？
自分の家から車を運転し続ける事一時間。見えてきた大きな家にやっと着いた、なんて思ってしまった。
車を停めて玄関の扉を開けて中へと歩みを進めると人の気配がしない。
…………リビングか？頼む、リビングにいてくれ、
そう願いながら扉を開くと私の願いも虚しくリビングはもぬけの殻だった。
『…………あぁ、嘘でしょう？』
項垂れた私はそのまま引き返し廊下から二又に分かれている鉄の扉へと歩き出した。
ガシャンッと音が鳴る鉄の扉を開けて階段を降りていく。
ねぇ、ミョンホさん、あなたまた何か実験してるの？それとも作ってる？
毎回、ここの階段を降りる私の気持ちをあなたは分かっているの？
もう一枚の鉄の扉を開くと奥の方に見えた人影はこちらに顔を向けると手を振った
「おーい、こっちこっちー！面白い物見せてあげるから、そこにある防護服着て頭にヘルメット被ってねー」
『………防護服にヘルメットだと？』
私にそう声をかけたのは、科学捜査専門研究者のミョンホさん。科学捜査、なんて言っても警察では無いし、事件現場から採取された資料等の鑑定や検査業務に関わったりもしていない。
それじゃあ、何しているかって？
どういう風にその殺人が行われたかを科学的証拠で証明するだけ。ただ、それだけ。
ただ、科学に関する知識は警察も唸る程らしく好き勝手に過ごしていい代わりに爆発事件や毒殺などで謎が残る場合、全てこの人へと話が回ってくる。
………そういえば、ミョンホさんと同じような立ち位置の人がいたなぁ。
その人は犯人の心理状態を暴く犯罪心理学者らしいけどその人も中々の曲者だったっけなぁ？
……頭が良い人はきっと皆、曲者なんだろう
だって、現に私の目の前には防護服を着てヘルメットを被り、長い棒を持っていてその先には小さいバケツがかかってある。
その隣にはコンクリートが積まれ、下にはガスバーナーが突っ込まれている。そしてその隣には………何故かスイカ。
『………何するつもりですか〜？』
「水蒸気爆発だよっ」
『水蒸気爆発？』
水蒸気って爆発すんの？
「火山の爆発あるでしょ？あんな感じだよっ！」
『……………』
あの人、火山みたいな爆発させようとしてるの？
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作者名：ノルン
| 作成日時：2024年1月5日 20時
