2 ED ページ3
『何で水なの？好きなの飲んでよ』
「いや、まだ水でいいよ？」
『何で？気にしないで飲んでよ』
私がそう言うと、少し優しく笑いグラスの端に唇をつけながら発した声は少し低かった
「飲む時に一緒に飲むから」
『………じゃあ、飲ませろよ〜』
「まだ、だーめ」
そう言って楽しそうに肩を揺らすスンチョルに、またチクッと胸が痛んだ。
バーテンダーの売り上げはお客さんに飲んでもらう事と自分が飲む事なはずなのに、その仕事を捨ててまで見せる優しさに私は心が痛いよ。
「それに、Aさんの目的は俺でしょ？酒じゃなくても水でいいじゃん」
『……あんた、自分の本職たまに忘れてない？』
「Aさんに心配される程、うちの売り上げは落ちぶれちゃいないよ」
『私、ここに来てスンチョルと話す度に悪いホストに捕まった気分になっちゃうよ』
「んー、ならボトル卸します？」
『……給料日後でいいなら』
「プッ！俺、本当に悪いホストになった気分」
いや、もうホストになった方がいいと思うよ。あんたならすぐNo.1になれるって。
こんなにも手の平で女をコロコロ転がしてるんだからさ？
今日も相変わらずの相手のされなさに大きく溜め息を吐いて水を飲むとスンチョルはこちらを見て口を開いた。
「水飲み終わったら、何がいいですか？」
『……プッシーキャット、』
「ふっ、だぁかぁらぁ！あれは好きな子限定ですって！」
『……じゃあいいじゃん！私でっ！！』
「まだ、だぁめ」
そう言って意地悪く笑うこの男は私の反応を見て楽しんでいるんだろう。私も舐められたもんだ。
『んじゃあ、普通の注文にする。だからプッシーキャット頂戴』
「酒豪がモクテル？笑わせないでよ」
『……酒豪だってモクテルの気分の時もあるもんっ！！』
「ふふっ、はいはい、分かりました」
そう言ってシェイカーを手に取ると、グレナデン、パイナップルジュース、オレンジジュース、グレープフルーツジュースを入れていきシェイカーを振るその姿は様になっている。
ゴブレットグラスに注がれていく赤みを帯びたそのドリンクは私が初めて貰うプッシーキャットだ。
注文として言って良かった。少しズルいけど。
「……どうぞ」
そう言って差し出されたドリンクはずっと私が求めていた物で注文と言えど少し胸が高鳴ってしまった。
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ノルン(プロフ) - まるのさん» 舞台がバーだったので、カクテル言葉で駆け引き的なのを入れたら読み応えあるかな？と思い採用しました！最後の小ネタまで見て貰いありがとうございます🙇♀️でも、カクテル言葉探しは結構楽しかったです！笑 (12月29日 1時) (
レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - まるのさん» こんばんはっ！ダリアも読んで頂きありがとうございますっ！そうなんです！違う世界線だったんです🤭ダリアは完結させた後にスンチョルどうしようかな？と悩んでたんですがダリアのスンチョルverも見たいと言ってくれた方がいたので書いてみました🫠 (12月29日 0時) (レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
まるの(プロフ) - それに、どちらの作品も、途中でカクテル言葉が出てきましたが、何度も調べたい衝動にかられました…！でも、最後に書いてくださる小ネタを見るんだ…！！！となんとか踏ん張りました笑作中での言葉に意味がかけられているものが多くて、めっちゃ感動しました！！！ (12月28日 22時) (レス) id: 0f64c498bd (このIDを非表示/違反報告)
まるの(プロフ) - ノルンさんこんばんは！ダリアのバウムクーヘンからやってきました…！読む前は、スンチョルさんと結ばれてからの話の後日談かな？と思いましたが、また違った線だったのですね…！！スンチョルさんが幸せになれてよかったです！！ (12月28日 22時) (レス) @page27 id: 0f64c498bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノルン
| 作成日時：2023年12月25日 21時
