16 ED ページ17
「だから、俺言ったでしょ？」
『え？』
「前の恋人の話は気にしそう、って」
『……………』
「胸倉は捕まなかったみたいだけどね？」
いや、大体さ。
仔猫ちゃんの前の男がスンチョルなんか誰が分かる訳？同じ店に元彼がいるなんか誰も思わないでしょ、普通。
スンチョルはカウンターへともたれ、私へグッと近付くと肘をつきながら私へとボソッと呟いた
「胸倉、掴まなくていいの？」
『……は？』
「俺、性格悪いから仔猫ちゃんとの思い出話、うっかり話しちゃうかもよ？」
『…………』
そんなん誰が聞きたいの？馬鹿じゃないの？こいつ。
思わず顔を伏せて手を伸ばして胸元を掴むと思ったよりも力が出なくてシャツがクシャッと歪んだだけだった。ボタンが弾け飛ぶ位まで掴み上げてやりたかったけど、無理だったらしい。
『……はっ倒すぞ、てめぇ、』
「はっ！想像してた100倍は口悪かったわ！」
そう言って笑ったスンチョルは笑いながら私に言った
「そんな事言われてもさぁ、……昔の話じゃん？」
『……………』
「……そんなん気にしてどうすんの？」
『……………』
「……妬かれてもどうしようも出来ないじゃん？」
『……………』
「ふっ、何が女々しい女じゃないから、だよ。」
『……はっ倒すぞ、てめぇ、』
自分の言葉が特大ブーメランだった。
肩を揺らしながら笑うスンチョルに湧き上がるのは嫉妬に似た気持ちでこっちは張り裂けそうなのにこいつ何笑ってんだ、なんて思ってしまう。
スンチョルは汗のかいたプッシーキャットを手に持つとストローを口元へと差し出した
「飲みな？」
『…………』
「ほれほれ、早く飲めよ」
そう言いながらストローでペチペチと唇を叩かれ思わず口に含み吸い上げると氷が解け切り薄くなったプッシーキャットは甘さが和らぎ飲みやすい甘さになっていた。
「おぉっ、飲めたの？上手だねぇ〜」
『……………』
「さすが、可愛い仔猫ちゃん」
『………は？』
そう言って俯いて笑うとこちらを見た後に少し真剣な顔つきをしたスンチョルに思わず言葉を失った。
「……少し話そうか。ちょっと待ってて」
『は、話す……え？』
スニョンの元へと歩いて行き何かを話すスンチョルの後ろ姿を私はただただ見つめ続けていた。
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ノルン(プロフ) - まるのさん» 舞台がバーだったので、カクテル言葉で駆け引き的なのを入れたら読み応えあるかな？と思い採用しました！最後の小ネタまで見て貰いありがとうございます🙇♀️でも、カクテル言葉探しは結構楽しかったです！笑 (12月29日 1時) (
レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - まるのさん» こんばんはっ！ダリアも読んで頂きありがとうございますっ！そうなんです！違う世界線だったんです🤭ダリアは完結させた後にスンチョルどうしようかな？と悩んでたんですがダリアのスンチョルverも見たいと言ってくれた方がいたので書いてみました🫠 (12月29日 0時) (レス) id: 907990f381 (このIDを非表示/違反報告)
まるの(プロフ) - それに、どちらの作品も、途中でカクテル言葉が出てきましたが、何度も調べたい衝動にかられました…！でも、最後に書いてくださる小ネタを見るんだ…！！！となんとか踏ん張りました笑作中での言葉に意味がかけられているものが多くて、めっちゃ感動しました！！！ (12月28日 22時) (レス) id: 0f64c498bd (このIDを非表示/違反報告)
まるの(プロフ) - ノルンさんこんばんは！ダリアのバウムクーヘンからやってきました…！読む前は、スンチョルさんと結ばれてからの話の後日談かな？と思いましたが、また違った線だったのですね…！！スンチョルさんが幸せになれてよかったです！！ (12月28日 22時) (レス) @page27 id: 0f64c498bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノルン
| 作成日時：2023年12月25日 21時
