28 effort ページ29
『えっ……！！ちょ、』
「僕、言ったでしょ？」
『へ？』
「頑張りはきっと、彼に届く筈だから、って」
『……あ、あの、』
「………ごめんね？傷つけてしまって」
『…………』
「きっと、すごくショックだったよね？」
そう言って抱きしめる力を少し強め頭を撫でると僕の肩に顔を埋めたAさんは少し震えていた。
『ごめんなさい、スングァン。こんなの迷惑だとわかっていたのに、』
「迷惑なんかじゃないよ」
『え、』
「僕の為に頑張ってくれるのはすごく嬉しいし、すごく可愛らしいな、って思うよ？だから、」
彼女を体から離して彼女に視線を合わせた
「僕もちゃんと向き合わないと、ね？」
『………っ！………うん、うんっ！』
そう大きく頷いて僕に飛びついたAさんをよろけながら受け止めた
『私、もっともっと頑張るっ！』
「ふふ、うん」
『もっと沢山、美味しい物食べさせるっ！』
「うん」
『だから…………』
そう言って僕から離れ僕の目をまっすぐ見つめると何ともストレートな言葉が飛んできた
『だから、早く私を好きになってね？』
「………っ、」
すごいな、この人。恥ずかしげもなくそんな事言えるなんて。
顔を上げられずに小さく頷くと嬉しそうな笑い声が聞いた後また僕へとくっついてしまった。
彼女の誘惑に落とされる日が来るのは案外遠い日ではないかも知れないな。
そんな事を思いながら彼女の背中へと手を回した。
ミセス戯言の誘惑 Fin
『こんにちはっ！スングァン！』
「こんにちは、Aさん」
『早くスングァンに会いたかったの！』
「僕も、会いたかったよ」
『今日はね？いつも頑張ってくれるスングァンにオヤツを作ってみたの！』
「あぁ、だからエプロンなんだね」
『頑張って作ったから食べてちょうだい！』
「うん、楽しみにしてるね？」
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作者名：ノルン
| 作成日時：2023年12月5日 18時
