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『………ごめんなさい、スングァン』
「え？」
謝られた意味が分からなくて口いっぱいに詰まった食事を咀嚼して彼女に視線を向けるとポツポツと話し出した。
『私、すごく勝手だったと思う、』
「…………」
『食べられない物をあなたに出して食べさせようとしたり、』
「…………」
『あなたは何も悪くないのに怒ったりなんかして、』
「…………」
『愛想を尽かされても仕方ないと思ってる、』
「…………」
『だから、指定を取り消したいなら取り消しても構わないわ』
「え、」
彼女の発言に驚き彼女を見ると彼女は僕を見つめたまま何かを決心したように少し力強い目で僕を見上げた。
『私のした事は余りにも自分勝手であなたの信頼さえも無くすような行動だったと思います』
「…………」
『あなたにここへ来たくない、そう言われても仕方ないと思っています、』
「…………」
『でも、今日はどうしても掃除をした場所や料理を食べて欲しかった。最後の我儘だったんです』
「…………」
そこまで言うと彼女は顔を上げ僕に見せるあの可愛らしい笑顔を向け僕に言った
『だから、私に遠慮なんかしないであなたが決めて下さい。』
「え、嫌ですよ」
『…………え？』
「だってAさんが言ったんでしょ？僕に美味しいご飯を食べさせてくれるって」
『………そ、それは、……』
「こんなに美味しいんだもん、まだまだ沢山作ってもらわないとっ！」
そう言うと俯き少し微笑みながらありがとう、と呟いたAさんを抱き寄せた。
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作者名：ノルン
| 作成日時：2023年12月5日 18時
