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「……とりあえず先に掃除宜しく。俺の部屋はしなくていいから。後は何を触ってもらっても構わない。」
「か、かしこまりました……」
そう僕へ伝言すると自部屋へと篭ってしまった副社長。
マジで無愛想王子じゃん。マリー・アントワネットの方がよっぽど可愛げがある。
………先輩は、こんな人の相手をしていたのか。
事の発端はAさんが僕に謎にキレた次の日だった。夜に先輩から電話がかかってきた
『もしもし、スングァン君？』
「……あぁ、先輩、どうしたんですか？」
もう、ビクビクしていた。クビになるんじゃないか？って。もしくは副社長の妹だから副社長から、妹を傷つけたな！っていうお叱りの言葉が来るかもしれない、と。
『……スングァン君、副社長の妹に何したの？』
「…………」
あぁ、やはり僕はクビか？クビなのか？もしくは副社長に電話を代わられて罵声を喰らうのか？
『妹さんからジョンハンさんに電話が来て、ハウスキーパーを交代して欲しいって……』
「え、」
あれ、クビじゃないのか？
いや、ちょっと待て。クビじゃなくてもハウスキーパー交代？僕が無愛想王子のハウスキーパーだと？何ならクビよりもそっちの方が危険なのでは？
「……じ、実は、Aさんを怒らせてしまったみたいで……。でも心当たりが無くて……」
『本当に？何を言ったの？』
そう言われ、昨日の出来事を全て話した後に先輩は黙り込んでしまった。
『……あぁ、何か、うん。事情は分かった……うん、』
「……僕、悪いですかね？、」
『え？あーうん、私からは何とも言えない、かな？うん』
「……はぁ、」
『とりあえず、ジョンハンさんからは私から説明してしておくから、明後日は妹さんじゃなくてジョンハンさんの家へ向かって？』
僕、無愛想王子の家に行くの怖いんだけど。
「……あの、僕殺されないでしょうか？」
『……私から説明しておくから大丈夫、』
「……分かりました、」
そう言って電話を切り今日に至ってしまった。
先輩は無愛想王子に何と伝えたのか分からないがそこまで殺気は感じない。先輩に感謝だな。
家の中に置いてある高級品であろう物を壊さないように最大限注意しながら黙々と各場所を清掃をしていった。
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作者名：ノルン
| 作成日時：2023年12月5日 18時
