ミセス戯言の誘惑 (ページ16)

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『スングァン！待ってたわよっ！冷めないうちに早く食べましょう？』

「はいはい、」

そう言ってニコニコしている彼女の隣に座り小皿にはキムチも置いてあった。これは中々気が効くなぁ

頂きます、と二人で手を合わせて食べてみるといい感じにパスタは茹で上がっていて美味しかった。

良かったよ、パスタを買っていて。

『どう！？美味しい！？』

「美味しいですよ」

君は茹でただけでソースが有能なだけだけどね。少しそう思ったけど、良かった！なんて言いながら嬉しそうに笑う彼女に何も言えなくなってしまった。

「良かったですね？一つ得意料理(？)が出来ましたよ！」

『ええ！これなら私でも頑張れるわっ！』

「あと何個か出来たら好きな人がいても得意料理だよ、って言えるかも知れないですね？」

『………ふふっ、そうね』

頬を赤らめながら恋する乙女のような顔をするAさんに驚いて目を見開いてしまった。何だ、その顔はっ……も、もしかして…………っ！！

「えっ！！す、好きな人いるんですか！？」

『えっ！？』

「うわぁ！知らなかったなぁ！どんな人？」

『えっ、あ……えっと、』

前のめりになって彼女へ聞くと少しタジタジになって、俯いた後恥ずかしそうに小声で話し出した

『すごく優しくて、私を変な目で見ないの……こんな私でも受け入れてくれる人で、とても……温かい人。彼の笑顔を沢山見たいから、もっと頑張りたいの……』

そう言ってその思い人を思い浮かべながら呟くAさんは本当に可愛くて思わず笑顔になった

「はははっ！可愛いよっ！Aさんっ！恋する女の子って感じ！」

『えっ、あ、本当？そうだと嬉しいなぁ、』

「本当に大好きなんだねっ？」

『うん……、大好き、』

「その人とお付き合い出来たら報告してねっ？いやぁ、でもAさんに好きな人かぁ！どんな人なんだろう〜？

あっ！ちゃんと応援してるからねっ？頑張るんだよっ？」

そう言って、彼女の方へ向き直り俯いたままの彼女の顔を覗き込んだ

「え、………えっ？」

『……………』

さっきまでの可愛らしい顔はどこへやら、表情は無表情になり目が激しく泳ぎ始めていた。
　
　
　
　
　