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5 Ugh! ページ6

 
 
 
 
 
 
元々、そんなに汚くないその部屋は私が掃除機をかけて机や時計などが並んでいるショーケースを丁寧に吹き上げるとほぼ終わってしまった。



やる事が無くなってしまい、時間を潰そうとショーケースに並んでいる時計を見て時間を潰す事にした。早すぎるとさぼっているなんて思われるかもしれないしね。







それにしてもこんなにも沢山の時計をどこで使うんだろう。すんごいギラギラしてるけどこれつけて歩くの?




金持ちはすごいなぁ。時計を何本も買えるだなんて。






時計なんて一つあれば生活出来ると思うんだけどなぁ……





そんな事を考えながらショーケースを眺めていると部屋の扉が開き慌てて姿勢を正した。



「終わった?」


『……あっ、はい。元々綺麗だったのであまり時間はかかりませんでした。』


「そう、」


『はい、本日の清掃は終了致しましたので、私はこれで失』


「ねぇ」


『……はい』



人の話を聞かない人だな。しかも、ねぇ、と声をかけておきながら私の姿を凝視したまま何も話さない。



"無愛想王子"は目を合わさないんじゃ無かったのか?何でそんなに見られているんだよ。









マスクの中で口角がヒクヒクする中、ようやく無愛想王子もとい副社長が口を開いた




「ハウスキーパー、一本で仕事してるの?」


『……へ?」


「他にも仕事してるの?」




何故、そんな事聞くんだよ。聞いてどうするんだよ。ヒヤヒヤしているから早く帰らせてくれ。



『あぁ、はい。本職は別にございます』


「ふぅん、副業OKの会社なの?」




いえ、禁止です。バレたらクビですかね。




『私の職場はOKです』


「へぇ〜」




そう言って笑い出した副社長。もう恐怖だ、恐怖でしかない。




無愛想王子なのに笑っている事も、その正体が副社長でバレるかもしれないこの空気感も。もう全力で帰りたい。





「俺の職場はね?副業禁止なの」


『……左様でございますか』




この人、プライベートでは俺なんだ。やっぱり猫かぶってたんだ。副社長は大変だよな。






いや、そんな事はいいんだよ。何故あなたの職場の話をしているんだ。







恐怖からかだんだんと顔に表情が無くなっていく私に向かってまた私に声をおかけになった








「ねぇ、」


『何でしょうか』


 
 
 
 
 
 
 

 

そして、冒頭に戻り"うち、副業禁止だよね?"なんて言葉を頂いた。

 
 
 
 
 

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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時

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