45 Ugh! ページ46
『え?そうですか?結構単純だと言われますが』
「うん、単純な所は単純だよ」
『じゃあ難しくないじゃないですか』
「いや、俺が言ってんのはそういう事じゃなくて………まぁ、いっか」
『はい?』
「その部分もA、だもんな?」
『は?』
訳が分からず眉間に皺が寄ってしまうとそのまま軽く笑ったまま鼻から手を離していった
最近はこの人の発言がたまに理解出来ない。
「あ、言うの忘れてた」
『え?』
「副業、OK出たんだ」
そう言って笑った副社長に、えっ!と声を上げて驚いてしまい思わず笑顔になってしまった
『えっ!すごい!すごいじゃないですかっ!』
「うん、本当に頑固だったけどね。俺が折れないって分かったのか呆れ笑いしながら頷いてくれたよ」
『さすが副社長ですねっ!副社長ならやってくれると思ってましたよっ!!』
「本当かよ」
そう言って少し肩を揺らした副社長は自身で気付いてないのだろうか?私達、社員がどれだけ恵まれているか、と言うのを。
『副社長、』
「ん?」
『副社長は、ご自身で気付いているかは分かりませんがあなたが社員を思う気持ちは本当に伝わっていますよ?もう何度も言いましたが…』
「………」
『私達、社員は恵まれているんですよ?こんな暖かい人の部下で。だって、魚料理を出す為だけに魚を必死に探す方なんですよ?』
「何それ、褒めてる?」
『もちろん。そんな細かい事まで解決してくれる、って事ですよ』
そう言って微笑むと副社長も微笑み私に優しい視線を向けると口を開いた
「ねぇ、抱きしめていい?」
『え、何でですか?』
そう聞いたにも関わらず、結局副社長の胸の中へと収まった。
この人最近よくハグするなぁ。
『……聞いた意味ありました?』
「愛とは、ほかのどんなものよりも恐ろしい力である。目に見えず、測ることもできないが、一瞬であなたを変え、どんな物質的な所有物よりも大きな喜びを与えてくれるほどの力を持っている」
『え、あ、愛?』
「うん、愛」
『お、大きな喜び?』
「うん、大きな喜び」
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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時