42 Ugh! ページ43
あれから3日が経った今日。
3日間の間は土日も挟み副社長に会う事は無かったが、昨日は社長と話をする、そう言っていたが時間が取れず今日になってしまったようだった。
今日は家主のいない家の掃除だ。何とも不思議な気分である。
ほぼ見たことの無い形状の家の鍵を預かりお邪魔して清掃中の今は掃除をしながら副社長の帰りも待っている所だ。
じゃなきゃ、私はこの家から出られないからね。鍵もここにあるんだし。
仕方ない。分かってる仕方ないんだよ。
ただ、すごく面倒くさい。掃除が終わるまでに帰ってきてくれりゃあいいが遅ければ私は明日に支障をきたしてしまう。
だから早く帰ってきてくれ、そう願うばかりだった。
が、いつまで経っても帰ってきやしない。清掃はとっくに終わり、いつ頃帰りますか?と送ったメッセージの返信も返ってきやしない。
時刻を見れば22時半を回ろうとしていた。
電車はもう諦めた方がいいかもしれない。タクシー?タクシーなのか?あぁ、いくらかかってしまうのだろう。
まぁ、給料は上がっている。文句は言えない。副社長の秘書になってしまってから何度ついたか分からない溜め息を吐いた瞬間にチャイムが鳴った。
帰ってきた!そう思いソファから立ち上がりカメラを確認すると副社長の姿。やっと帰ってきた、おせぇよ
『はい』
「開けて」
『はい』
「…………」
『…………あの、』
「何してんの?」
『………ボタンは、どれでしょうか?』
「………ロック解除って書いてるボタン」
そのボタンを押すと、顔を顰めながらカメラから消えていった。
見た、私は見たぞ。入ってくる時、副社長はあきらかに心底呆れた顔をしながら溜め息をつきやがった。
誰がお留守番してやったと思ってるんだ?テメェのせいでこちとらタクシーで帰るハメになったっつーのによ。
心の中で悪態をつきながら玄関へと歩んでいき家の鍵を予め開けて玄関で待っておき少ししてから玄関の扉が開いた。
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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時