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41 Ugh! ページ42

 
 
 
 
 
 
『私の知っている副社長は、そんなにウジウジする人なんかじゃありませんっ!』


「…………」



『いつもの大胆さや、強引さはどこにいったんですか?私、頑張ってアンケート作ったんですよ?副社長も怖けずに頑張って下さい!』





私がそう言うと、そうだな、と頷き私の手を握った。




そんなあなたに私は伝えたい事がある。





『存在するとは、行動することである』


「え、」


『勇気を出して、行動することの大切さを説く言葉です』


「…………」


『いつも、私に名言をぶちかましてくるからお返しですよっ!』







そう言って私の手を握ったまま時が止まっている副社長に得意気に笑うと副社長は顔を伏せ握っていた手を引き寄せ私を抱き寄せた。







…………抱き寄せた?何故?




「そうだよな、Aは俺の為に色々動いて考えて行動したんだ。俺も弱気になってちゃ駄目か」


『…………』


「俺は次期社長で、いずれ必ず社長として"存在"する事になるんだ。何があっても解決しなきゃいけない問題だよな」


『ふふ、そうですよっ!』




きっと、今は弱気だから慰めが欲しかったのかも知れない。副社長の背中に手を回し慰めるように背中を優しく叩くと副社長は私の頭を自らに寄せ首元に頬を寄せた





……………何故、強くなったんだ?






「ありがとう、A」


『え?』


「あの時のハウスキーパーがAで良かった。」


『…………』


「Aだって気付けて良かった」






そう言って私から体を離し帽子を取ると落ちていってしまった髪の毛。また髪を一束掬うと匂いを嗅いだ。





その光景を黙って見ていると髪から手を離し私を見つめながら次は私の髪を掻き上げ手を後ろに回した




 
 
 
 
 
 




 
 
 
 
 
『副社長、本気でセクハラで訴えられますよ?』


「………お前は雰囲気をぶち壊す天才なの?」


『は?雰囲気?』


「………はぁ、何も無いよ」






そう言って手を離しソファの背もたれにまた背を預けると天井を見上げムスッとしている。










助言してやってるのに何故こんなにもむすくれているんだ。私じゃ無ければセクハラ案件だ。







そのまま動かなくなった副社長を横目にソファから立ち上がり清掃を再開して全ての清掃を終わらせた。









終わりました、と声をかけると未だに同じ体制のまま手だけ動かした副社長に頭を傾げながら副社長の家を後にした。
 
 
 
 

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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時

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