40 Ugh! ページ41
「副業をOKにして欲しい、だって。記入欄のチェックがすごいったらありゃしない」
『え?そ、そんなにですか?』
「A、前に俺に言っただろ?俺が知らないだけで副業は皆してる!そういう人達をクビにしたら会社から人がいなくなる!みたいな事」
『え?あぁ、はい。言いましたね』
「チェック欄に入れてる人が本当に副業してるとして、全員クビにしたら本当に会社潰れるレベルだよ。急いで人員を賄っても追いつかないレベル」
『…………え、』
そ、そんなに?皆そんなに副業してるか副業したいの?給料高いのに?
驚いて副社長を見つめていると、副社長は薄く笑いソファに背を預けた。
「……元々、俺は特に反対じゃ無いんだよ、副業」
『え、』
「当たり前でしょ?俺が反対だったらAはとっくにクビになってるよ。秘書の話すら持ち込んでいない。
まぁ、親父にバレるリスクもあるし俺は社員の事で困っていたから交換条件にしたけどさ、」
『……………』
「親父がずっと反対してるんだ。作業の効率が落ちたり機密情報が漏れる、って。まぁ言いたい事は分かるけどさ、」
そう言って少し笑うと副社長の表情はすぐに真剣な顔つきになりボソッと呟いた
「……副業をOKにするには、その頑固親父を説得しなくちゃいけない。」
『…………』
「ははっ、何言えばいいんだろう、ってずっと考えてんだよね。あれ言えばいい?これ言えばいい?ってずっと試行錯誤してる」
『…………』
「後、情けないけどさ、やっぱり少し怖いんだよね。何てったって親父以前に社長な訳だし?」
『…………』
「俺よりも人生経験豊富で、社長に就いてから長い間その椅子に座り続けている人を納得させる事が出来んのかな?って」
『…………何を、』
「え?」
何をそんなに弱気になっているんだろう。私の知ってる副社長はもっと大胆で、もっと勝ち気で、強引に物事を進めてしまう人でしょう?
珍しく弱気になっている副社長に向き直り両手で副社長の両頬を挟むと少しだけパチッと音が鳴った
『しっかりして下さい!副社長!!』
「え、」
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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時