39 Ugh! ページ40
あれから2週間。
副社長からクロワッサンサンドはもう買ってこなくていい、という有難い言葉を頂き早起きはしなくて良くなった。
そして、本当に副社長が清掃会社に私を指定した事によって、副社長の担当は私となり今日は清掃をする日でリビングで掃除機をかけていた時だった。
「なぁ、A」
『はい?』
「これ、全部目を通したの?」
そう言って持ってきたのはアンケート用紙。
今日アンケート用紙を全部署から回収し、量が多すぎるから私は目を通さずに副社長へとアンケート用紙を全て渡してしまった。
その結果を自部屋で見ていたはずだが、何かあったんだろうか?
『いえ?私は量が多いので一枚も目を通していません。どうなさいました?』
「ふふっ、そうか」
そう言って笑った副社長はソファへと移動してきて座り込むと私の目を見ながら隣を叩き座れ、と促した。
掃除機を床に置き言われた通り隣へと座ると少し嬉しそうに口を開いた
「………匿名アンケートの効果は絶大のようだな?」
『え、そうなんですか?』
「かなりたくさんの事が分かったよ。一部には名前を記入してくれている人もいた」
『おぉ、それは良かったですね!』
そう笑いかけると嬉しそうに頷いた副社長。
「色々問題はあったよ。少数派の意見にもきっちり対応してもちろん不満は解消していくつもり。時間はかかるけどね」
『そうですよね、あんなにも多いんですもん。時間はかかりますよ!でも、頑張って下さいね?私に手伝える事があるなら何でもしますから』
私がそう言うと少し目を伏せて笑った副社長。
確かに横暴で強引で何かあれば哲学名言をぶちかます人だけど社員を思っている気持ちは間違いない。それは近くにいてひしひしと伝わってきた。
私達全社員はこんなにも社員を思ってくれる人が次期社長で幸せなのかもしれない。そんな事思ってしまう程だ。
「………ありがとう、」
『いえっ!あっ、ちなみに一番多かった意見は何だったんですか?』
私がそう聞くと、あぁ、と呟き私のオデコを人差し指で突いてきた
「Aと同じだよ」
『………私?』
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作者名:ノルン | 作成日時:2023年12月1日 1時