31 Ugh! ページ32
「まぁ、そんなあいつが目をつけたのが、そのスングァン君？な訳よ。会う度に"スングァンがねっ！"なんて言ってるよ。
まぁ、スングァン君も食わされてるんだろうな、あいつの作る実験物体X」
『はっ……！！そ、そういえば……！！』
「あ、やっぱり何か被害に遭ってんの？」
『た、確か……スングァン君が、
"いつもスングァンが頑張ってくれてるから！"なんて言って手料理を振る舞われたらしいんですが、もう匂いから駄目だったらしくて……
でもすごいキラキラした目で見つめられて断るに断れなかったらしくて全て完食したそうなんです。
次の日、お腹を壊して体調が戻らず休んでいました……。あと、味覚障害も起こしそうだった、と……』
「おぉ！さすが実験物体Xを作るやつだなっ！あーあ、スングァン君も可哀想に。あんなんに捕まっちゃって」
そんな酷い事を言っておきながらも目の奥はとても優しくて妹さんを大切にしているのは窺えた。
きっと、仲は良いんだろうなぁ。
『……でも、大切にされてるんですね？妹さんの事』
「ん？まぁ、そりゃあ血を分けてるしね？何で？」
『……妹さんの話をする時すごく楽しそうです。それに今もほら？口元、笑ってますよ？』
そう言いながら副社長の口元を人差し指でつつくと少し驚いた後に下を向いて笑った
「……まぁ、可愛いっちゃ可愛いよ？愛嬌はあるし」
『ふふっ、仲良しですね？』
そう笑いかけると少し照れたのか私の腕をパシッと軽く叩き、あっ、と声を上げると私へ声をかけた
「作業止めてごめん。とりあえずコピーして渡しに行ったらそのまま帰りな？」
『あ、はい。じゃあお言葉に甘えて』
そう言って頭を下げてコピー用紙の束を持ち上げ副社長室から出ようとした瞬間に肩を掴まれた
「なぁ、」
『はい？』
「Aは、副業の曜日が固定されても問題は無いの？」
『まぁ、私は特に……』
私が副社長に伝えると副社長は私に目を合わせずに人差し指でこめかみを抑えながら口を開いた
「あぁ〜………それなら、俺もAを指定したいん……だけど、」
『……………』
……………私は、本業でもあなたの顔を見て副業でもあなたの顔を見なければいけないのでしょうか？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 994人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノルン
| 作成日時：2023年12月1日 1時
